絶妙だった広島・新井の起用法 先発外しは石井コーチ案

[ 2016年9月15日 08:05 ]

<神・広>またもお得意の逆転勝ち。緒方監督(左)、新井(中央)は決勝打の安部を迎える

 【25年ぶり鯉のぼり4】壮大かつ個性的なジグソーパズルは、探し求めていたいくつかのピースが当てはまり、完成の時を迎えた。集った若き精鋭たち。人材発掘と育成というカープの良き伝統を理解したうえで、彼らに最終仕上げともいえる「勝者のメンタリティー」を落とし込んだのが、他球団で優勝経験を持つコーチ陣だった。

 2012年オフに球団はオリックス2軍監督、打撃コーチなどを歴任した新井宏昌を打撃コーチとして招へい。01~03年に1軍チーフ兼打撃コーチを務めた松原誠以来となる外部招へいだった。13年から2年連続で3位。優勝には至らなかったが、若い選手の技術の「引き出し」を増やすには一定の効果があった。

 新井の辞任により、守備走塁コーチだった石井琢朗が今季から打撃コーチに。外野守備走塁コーチには西武コーチを退いたOBの河田雄祐が就任した。この配置が吉と出た。

 横浜「マシンガン打線」の1番だった石井は、通算2432安打を放った現役時代さながらの「しつこさ」を打線に植え付けた。昨季リーグ優勝したヤクルトを参考に簡単に三振しないことを徹底。状況判断の重要性も叩き込んだ。加えて、新井貴浩の起用法を思案。「打線の軸として、一年を通じて良い状態でやってほしかった」と、打撃を崩される可能性が高いと判断した投手と対戦する際は先発から外した。新井は14日もそうだったように阪神・藤浪晋太郎、巨人・菅野智之らとの対戦が今季はない。昨季は自らオーダーを決めていた監督の緒方孝市も大半のケースで「石井案」を受け入れた。12球団最高のチーム打率を生み出した一因がここにある。

 広島、西武で名バイプレーヤーだった河田は、走塁技術はもちろん、意識を変えることに腐心した。「いつも打つことはできない。打てなくても点を取るために一つでも先の塁を…と、選手と一緒に徹底してきた」。ミスが出ると、最初に選手の考えを聞き、納得できればコーチ会議で「私のミス」と謝罪。思い切った走塁は、リーグ唯一の3桁を記録する盗塁数にも表れている。

 河田は、ヘッドコーチの高信二と同じ1985年入団。1学年下の緒方とは若かりし頃から研さんし合った仲でもあった。広島の伝統を知る者が、計り知れない相乗効果も生み出した。 =敬称略= (広島取材班)

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