8番・鳥谷、不振脱出へ意地の3号 金本監督は「まだまだ」

[ 2016年5月26日 08:50 ]

<ヤ・神>6回1死一塁、鳥谷(左)は2ランを放ち、高山に迎えられる

セ・リーグ 阪神8―9ヤクルト

(5月25日 神宮)
 不甲斐ない自分に決別するかのような一撃だった。4―8で迎えた6回1死一塁。敗色濃厚の展開に待ったをかけたのは、阪神・鳥谷だった。

 「(ホームランは)まぐれです。最後まであきらめずにやることが大事なんで」。村中の外角速球を真芯でとらえた。左翼席最前列へ着弾する3号2ラン。15日のDeNA戦以来のアーチをかけ、反撃の機運を高めた。

 開幕から不振の日々。21日の広島戦からは09年6月14日のロッテ戦以来の8番へ降格した。奮起を期待する首脳陣の荒療治にも1、2打席目は連続三振。そんな中で飛び出した一発だった。

 日々ベストは尽くしてきた。14、15日のDeNA戦前には若手に交じり特打を敢行。この日も自ら志願する形でチーム本隊とは離れ、神宮室内で約20分間の特打を行っていた。

 8回には先頭打者で四球を選び、同点の本塁も踏んだ。「まだまだ本来の当たりではない」。4打数1安打の内容を金本監督が手放しで喜ばなかったのは期待の高さの裏返しに他ならない。

 ただ、数々の苦難を乗り越えてきたからこそ、たった1打席、いや1球で本来の姿を取り戻すこともある。「シーズンは長いし、自分が納得する形で打席に立てるようやっていきます」。最後まで厳しい表情を崩さず、明日へと目を向けた。 (森田 尚忠)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ(本塁打を放った鳥谷に)色々と試行錯誤しながらね。きょうも早く球場に来て、室内で打ったりとかしてたし。ホームランにしても(9回の)センターライナーにしても直球に打ち負けなくなってきた。(打線の中軸について)あそこらへんは長打が打てるからね。きょうの状態を見れば心配ないかな。

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2016年5月26日のニュース