金本監督 もっと攻めろ!バレに2被弾横山に「ぶつけてもいい…」

[ 2016年5月26日 05:30 ]

<ヤ・神>サヨナラ勝ちに沸くヤクルトナインを尻目に引き揚げる金本監督

セ・リーグ 阪神8―9ヤクルト

(5月25日 神宮)
 阪神は25日、ヤクルト戦(神宮)で惜敗を喫して再び勝率5割へ戻った。同点の9回に藤川が決勝の中犠飛を浴び、今季4度目のサヨナラ負け。激しい乱打戦に敗れた金本知憲監督(48)はバレンティンに2打席連続のバックスクリーン弾を浴びた横山を「思い切ってインサイドにいかないと」と叱責。『超変革』の実現へ投手陣にも攻撃的な姿勢を求めた。

 最後は敵地を埋め尽くした虎党のため息が無情にも球場を包み込んだ。同点で迎えた9回、2連投になった藤川が1死二、三塁から代打の今浪に中犠飛を浴びた。8得点しながらも痛恨の惜敗。今季4度目のサヨナラ負けにも金本監督は救援陣を責めることはしなかった。

 「(藤川は)連投やしね…。バレンティンのやられ方がね。同じ。インサイドに構えて、それが投げきれずに真ん中にいって打たれた2本だからね。もったいないよね」

 悔やんだのはバレンティンに浴びたバックスクリーン2連発だ。試合後の会見場でもリプレー映像で再確認し、再び唇をかんだ。1点を先制された初回、なお1死二塁でフルカウントからの7球目を痛打された。捕手の原口が内角にミットを構えながら横山の直球は真ん中へ入った。

 「投げてはいけないボールを2打席とも投げてしまった。コースや高さをしっかり投げなければいけなかった。体が開いてしまうフォームになってしまった。技術の足りないピッチングだった」

 2戦2勝の勢いをはねのけられた横山も厳しい表情で振り返った。初回の一発だけではない。3回無死二、三塁でもカウント1ボール1ストライクからの3球目に同じように直球を打たれ、VTRを見るかのような放物線を再び描かれた。

 今季最短の3回6失点降板。金本監督は単なる制球ミスで片付けなかった。指摘したのは攻める姿勢の欠如だった。

 「怖がったのか、分からないけど。でも、あそこで思い切ってね。インサイドを構えてるんだから行かないと。(仮に)ボールになってもいいぐらいで、ぶつけてもいいぐらいの感じでね」

 開幕から投打を問わず若手の積極起用を貫いてきた。スローガンに掲げる『超変革』を実現するためだ。時に失敗があっても日頃から「積極的なミスをOK」と容認してきた。だから、攻撃的な心を欠いたように見えた横山の投球が歯がゆかった。「思い切っていけ!」。大切な精神を再確認する悔しい敗戦だった。 (山本 浩之)

 ▼阪神・香田投手コーチ(横山について)前回までの登板より、腕が振れていないと感じた。(次回登板を見据え)もう1回修正してね。(藤川については)ボールは押し込めていた。紙一重のところだった。

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