代打の神様ヤ!今浪プロ10年目初サヨナラ 打率5割、球児から犠飛

[ 2016年5月26日 05:30 ]

<ヤ・神>サヨナラ打を放った代打・今浪(右)は畠山から氷水を浴びせられて祝福される

セ・リーグ ヤクルト9―8阪神

(5月25日 神宮)
 とっておきの切り札が残っていた。8―8の9回1死二、三塁、代打で登場したヤクルト・今浪は藤川の直球をすくい上げ、中堅への犠飛。三塁走者の三輪がホームを踏むのを見届け、両手をポンと叩く。プロ10年目で初めてのサヨナラ打も喜びは控えめ。安どの気持ちが勝っていた。

 「普通っすね。昨年からサヨナラの場面が5、6回あって、1回も打ったことがない。今日は本当に良かったです」

 打席では無我夢中だった。実は打った瞬間、頭をよぎったのは「フライや、やばい」。一瞬、アウトカウントを勘違いするほど、一振りに集中していた。サヨナラ打は日本ハム時代、2軍で1度経験しただけという。自身で「(ゲームの)パワプロなら(選手データで)“サヨナラ×”が付く」と自己分析するほどだが、今季は「超」が付くほどの勝負強さだ。

 スタメン出場は13試合ながら、代打では打率・500、リーグトップタイの7打点、得点圏打率も・500を誇る。この日で出場5試合連続打点となり、真中監督も「いつもながら本当にいい仕事をしてくれる」とヒーローを称えた。

 早くも今季4度目のヒーローインタビューでは、珍しく冷静なトークを展開。日本ハム時代から、お立ち台ではボケをかますものの一切ウケず「滑り芸」としておなじみだった。「(お立ち台の)スパンが短すぎて、ネタがない」と、思わぬ悩みすら浮上している。
 歓喜の輪の中で畠山からスポーツドリンクをかけられビシャビシャのままクラブハウスへ引き揚げた。「冷たいわ~。早く着替えたい」と話す表情も、どこか充実感にあふれていた。 (町田 利衣)

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