鳥谷&ゴメスの“ごめんなさい打”に金本監督及第点

[ 2016年5月19日 05:47 ]

<神・中>4回裏1死満塁、鳥谷は左犠飛を放つ。投手山井

セ・リーグ 阪神3-2中日

(5月18日 甲子園)
 忸怩(じくじ)たる思いだった。15日のDeNA戦と17日の中日戦は、いずれも勝てた試合だったが拙守で引き分けと敗戦。前夜の敗戦後、阪神・金本監督から「フライを捕れないのは話にならない」と糾弾された、主将と主砲。汚名返上の舞台でそれぞれが気を吐いた。

 まずは鳥谷だ。17日の同戦では9回に同点とされて、なお1死一塁で遠藤の平凡なフライを落球。逆転負けの戦犯になったプレーに期するものも大きかった。1―1の4回、1死満塁。左翼へ運んだ犠飛は、決勝点となった。

 「チャンスだったので1本打ちたかった。何とかバットに当てられればと思っていた」

 ゴメスも後れは取らない。15日のDeNA戦で梶谷のフライを原口とお見合いし、2失点する連係ミスで、ドロー結果の責任を負っていた。挽回のチャンスは5回の第3打席。フルカウントからのフォークボールを長い滞空時間を経て左翼スタンド最前列に着弾させた。11号ソロ。「良い感じで打てて、打った瞬間入ると思ったよ」。終わって見ればこの3点目が大きかった。

 この日、チームは試合前に飛球の早出特守を敢行していた。全野手が通常の練習時間よりも前にグラウンドに集合。円陣を組んだ後、各定位置に就き、15分間フライのみ受けた。ミスが連発していたために、金本監督が「その通り」と直々の発案で、野手陣の気を引き締め直していた。

 「きのう負けたので、勝てて良かった」と鳥谷が言えば、「ミスをしようとしてのミスではない。雰囲気は悪くないし、前を向いて勝利を目指した結果」とゴメスも同調。この日は無失策で勝ち取った白星に指揮官も、「ゴメスの本塁打もあって。トリもできればタイムリーでお返ししてほしかったけど、確実に1点を取ってくれたので」と、2人の「ごめんなさい打」に、ひとまず及第点を与えた。(久林 幸平)

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2016年5月19日のニュース