最下位DeNAが5月セ貯金独り占め 石田20イニング連続無失点

[ 2016年5月19日 06:26 ]

<巨・D>ヒーローインタビューを終え、米俵を贈られたDeNA先発・石田

セ・リーグ DeNA1-0巨人

(5月18日 福島)
 風薫る5月。チームの好調を支えているDeNA・石田は「しっかりと腕を振って、どんどん押しながら投げた。先に点を取られないように低めを意識していた」と胸を張った。7回を4安打無失点、無四球で自身4連勝。連続イニング無失点を20に伸ばし、1―0での勝利に貢献した。

 立ち上がりはコントロールに苦しんだ。初めて経験する福島のマウンドで初回はボール先行。それでも貫いたのは「腕を振ること」だった。2回からは制球が定まり、最速144キロの直球を軸に効果的にチェンジアップを織り交ぜた。今季最多タイの7三振を奪い、無失点で救援陣にバトンを渡した。

 プロ2年目の23歳。同じ広島出身の20歳左腕の田口に投げ勝ち、巨人戦は初勝利だ。1年目の昨季は大学時代に痛めていた左肩の影響でプロ初登板が7月となり、2勝に終わった。「ケガをせずに1年間投げ抜けるように」と、昨オフは三浦の自主トレに参加。毎朝の山登りや坂道ダッシュで下半身を鍛え上げた。お尻回りは1センチ大きくなっただけだが、「形が良くなったんですよ!」と笑う。現役最年長投手の三浦から先発投手の心得を学び「100球近くなってから粘れるようになった」。4勝1敗、防御率2・68と安定した今季の投球につなげている。

 7回にはこの日唯一のピンチとなる無死三塁を迎えるも、味方の好守に救ってもらった。クルーズの右飛で三塁走者の寺内がタッチアップ。桑原からのショートバウンドとなった送球を捕手・戸柱が本塁ベースの前で捕球し、ファウルライン沿いに設定された走路を空けつつタッチした。今季導入の「コリジョン(衝突)ルール」を意識した好プレーだった。

 チームは1分けを挟んで3連勝。借金5で最下位は変わらないが、5月に入って9勝5敗1分けでセ・リーグの貯金を独り占めし、堂々の月間首位だ。チームを支えるのは12球団トップの防御率3・11を誇る投手陣。守備陣も支え、守り勝つ形ができてきた。

 ラミレス監督は「全てが良かった」と石田に最大級の賛辞を贈った。ヒーローインタビューでは米俵を抱えた石田は「うれしいけど、もっともっと勝てるように頑張ります!」。福島の薫る風を頬に受けながら声高らかに宣言した。(中村 文香)

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2016年5月19日のニュース