城所びっくりプロ2号 3195日ぶり弾に「やってもうた」

[ 2016年5月19日 05:30 ]

<ソ・日>7回1死二、三塁、右越えに3ランを放つ代打・城所

パ・リーグ ソフトバンク6-2日本ハム

(5月18日 ヤフオクD)
 ソフトバンクのベンチも、本拠のスタンドも沸きに沸いた。開けてビックリ玉手箱。そこからは煙ではなく、城所のプロ2号アーチが飛び出した。1点リードの7回1死二、三塁。代打で打席に入った。膝元のスライダーをすくい上げると、打球は右中間へ。「やってもうた!奇跡」。07年8月19日の楽天戦(フルスタ宮城)以来、実に3195日ぶりの一発だ。

 「お客さんは、まさか僕が代打とは思わなかったでしょ。“出てきて大丈夫?”と」。母校・中京(岐阜)の先輩で、決勝ソロを放った松田らと上がったお立ち台。興奮した口調でまくし立て、ファンの爆笑を誘った。

 プロ13年目の30歳。守備、代走の切り札だった男の名前が一躍、有名になったのは昨年3月だった。キャンプ中のマーリンズ・イチローが「キドコロ待機中」のTシャツを着用。同年1月に神戸市内の牛タン店で偶然出会ったときに贈ったもので、城所は「まさか本当に着ていただけるとは」と大感激した。この日は待機中のベンチから打席へ。そしてバットで大仕事。今季はスピードを生かすため体重を6キロ絞って75キロに。10打数5安打と打棒も光る。

 身体能力はチームでも一、二を争う。前日の日本ハム戦(北九州)では、捕手2人制とあって工藤監督から万一の事態での第3の捕手を打診された。「やるしかない!」。試合前に早出で捕球練習に汗を流した城所は、9回には守備でも美技を披露した。2死一、二塁で、田中賢の右翼への低いライナーに鋭く前進して好捕。一塁塁審が一度はセーフと判定したが、審判団の協議でアウトとなった。間が空いての試合終了に「もうちょっとカッコ良く決めたかった…」。それでもバットで魅せて、最後は本職で締めた。その姿は間違いなくカッコ良かった。

 ◆城所 龍磨(きどころ・りゅうま)1985年(昭60)9月24日、愛知県生まれの30歳。中京では2年夏、3年春に甲子園出場。03年ドラフト2巡目でソフトバンク入り。2年目の05年8月30日のロッテ戦(ヤフードーム)で代走としてプロ初出場。1メートル77、75キロ。右投げ左打ち。

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2016年5月19日のニュース