横山、6年越しにつかんだ甲子園初勝利 球児の背中焼き付けた

[ 2016年5月19日 06:37 ]

<神・中>力投する横山

セ・リーグ 阪神3-2中日

(5月18日 甲子園)
 2010年春のセンバツで初めて踏んだ甲子園のマウンドで、6年越しにつかみ取った念願の初勝利。横山は初めて上がった本拠地のお立ち台で「最高です! 甲子園なので全然違います」と声を張り上げた。

 「6回は投げきらないといけませんでした…。平田選手へ慎重に行きすぎてしまい、もっと攻めていけばよかったと反省しています。4回はイニングの入りを意識していたのですが、四球を出してしまって、失点につなげてしまいました。反省点ばかりの投球でした」

 5回1/3を被安打3、1失点。白星はうれしいが、内容には満足できない。自覚しているように、4回は先頭への四球から同点に追いつかれた。6回は先頭の大島に左前打を浴び、二盗を許して1死二塁。続く平田には、きわどいコースを狙いすぎた。結果、ストレートの四球。わずか83球でタオルを投げ込まれ、次々と反省の弁を繰り出した。

 「真っすぐは本当、よくなくて。真っすぐを見せての変化球という感じになってしまいました」

 もちろん次回登板につながる収穫も得た。最大の持ち味は直球。だが、まだ物足りない。そんな中、投手である山井の打席では、なぜか直球が指に掛かる。その要因は技術面より、意識面の方が大きかった。「上から見下ろすくらいの気持ちで投げた球はスピードガンでは測れない感覚、切れがあった。そういう球を続けられたら、もっと投球の幅は広がると実感した」。3勝目へ向かう、伸びしろを見つけた。

 貴重な経験もした。ベンチから鳥肌を立てながら、藤川の勇姿を見守ることができた。「テレビの中で見ていた球児さんは、抑えでずっと投げていた。偉大な投手が立つべき場所というか、そういう雰囲気を感じて凄いと思った」。偉大な投手の背中を心に焼き付けた。そして、その背中を追う。(惟任 貴信)

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2016年5月19日のニュース