金本監督 セ初適用コリジョンR納得いかん!「理由説明してほしい」

[ 2016年5月12日 05:30 ]

<神・巨>3回、小林誠の生還が認められ、お手上げポーズで怒りをあらわにする金本監督

セ・リーグ 阪神1―3巨人

(5月11日 甲子園)
 納得いかん!阪神は11日の巨人戦(甲子園)に1―3で敗れ、3連敗で勝率5割に後退した。1点劣勢の3回の守備で今季2度目、セ・リーグ初となるコリジョンルール適用で本塁アウト判定が覆り、追加点を奪われた。金本知憲監督(48)は「どこがどういう理由でコリジョンなのか。説明してもらいたい」と憤り、球団は連盟に意見書を提出する方針を固めた。

 金本監督は血相を変えた。「コリジョンを適用してセーフとします」。責任審判の杉永二塁塁審の場内アナウンスを聞いた瞬間、「エーッ」と驚きの声をあげ、すぐさまベンチを飛び出した。

 「待て待て」と言わんばかりに右手を振り上げて歩みを進め、審判団に詰め寄った。相手が聞く耳を持たないと悟ると、きびすを返して大きく両手を上げた。まさに「お手上げ」―。何度も首をかしげながらベンチへ。納得できない失点は最後まで重く響いた。

 「あれは、ちゃんと説明してほしい。なぜコリジョンになったのかを。写真なり映像で。どこがどういう理由でコリジョンなのか。そこもちゃんと説明してもらいたい。(抗議の際は)説明も聞けないという状態…。まあルールだからね。(捕手の原口は)バウンドを合わせただけ。ベースもガラ空きだったしね。次の(同じような)プレーの機会というものがあるから、ちゃんと説明してもらわないとね」

 1点劣勢の3回2死二塁。脇谷の中前打を処理した大和は本塁へ、これ以上ない球を返した。ハーフバウンド気味の送球を捕手の原口は重心を下げて捕り、結果的に本塁をまたぐ形になっても右足を引いて走路は空けていた。滑り込んできた走者の小林誠にタッチした際も危険な交錯プレーにはならず、嶋田球審も迷うことなく、一度はアウトを宣告した。

 雲行きは巨人の抗議で雲行きが変わった。リプレー映像での検証を経て判定が覆った。原口には警告が出て試合は再開。一度は攻守交代と思ったメッセンジャーは仕切り直しが効かず、ギャレットにも痛打を浴びた。

 新ルール対策に時間を割いた春季キャンプ中から金本監督は「もめそうな気がする」と不安を抱いていた。「まさに、その通りになってしまった。“決勝点”をね、それで。後から言いたくはないけどね、こんなこと。負けた後に」。球団は連盟に意見書を提出する方針を固めた。

 勝負事に「たられば」は禁物でも3回が無失点で終わっていれば…。以降は巨人の拙攻もあり、流れは確実に変わった。打倒巨人に人一倍の闘志を燃やした故村山実氏の生誕80周年記念の「永久欠番デー11」で後味の悪い敗戦を喫し、91年以来25年ぶりに甲子園球場での巨人戦では開幕から4戦未勝利となった。「勝ちたいのはいつも勝ちたいんだから」。悲劇を払しょくする快勝劇が待ち遠しい。 (惟任 貴信)

 ▼阪神・原口(阪神捕手では10年城島以来の先発5番も、守備で渦中の人となり)際どいタイミングではなかったので、上体は流して手で(タッチに)いった感じでしたが…。はっきり映像で見たわけではないので、反省して対応していきたい。

 ▼杉永・二塁塁審 走路に(原口が)立っていたから、ということ。リプレーを見たら送球によってでなく最初から走路に入っていた。

 ▽コリジョン(衝突)ルール 本塁上の衝突プレーを禁じる今季からの規定。走者が守備側へ故意に接触しようとした場合にはアウトとなり、守備側が球を保持していない状態で走者の走路をふさいだ場合は得点が認められる。警告や退場の処分が出る場合もある。

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