マー君 自己最悪タイ3被弾自責6 久々大量援護も遠い2勝目

[ 2016年5月12日 05:30 ]

<ヤンキース・ロイヤルズ>5回1死二、三塁、ケーン(右)に3ランを浴びる田中

ア・リーグ ヤンキース10―7ロイヤルズ

(5月10日 ニューヨーク)
 ヤンキース・田中将大投手(27)が10日(日本時間11日)のロイヤルズ戦に先発し、7回7安打6失点で勝敗は付かなかった。失点はいずれも本塁打によるもので、3被本塁打と6自責点はともにメジャー自己ワーストタイ。プレートの立ち位置を打者によって変えるなど、新たな軸球であるシンカーを生かすため試行錯誤したが、スライダーが切れを欠いた。

 2勝目が遠い。ここまで1試合9イニング換算で平均2・75得点とリーグで8番目に低い援護しか得られず、好投が自身の白星にはつながらなかった田中。この日は7得点の大量援護を得ながら、相手の一発攻勢にやられた。

 「こういう時こそビシッと抑えて勝つのがチームとしていい形。それを接戦でどちらに転ぶか分からないゲームにしてしまった」。結果的にチームは昨季ワールドチャンピオンに2連勝を飾ったが、表情は険しかった。

 2回にカスバートに逆転2ランを打たれた。3回はケーンに勝ち越しソロを浴びた。5回はケーンに2打席連発となる逆転3ランを左中間へ運ばれた。ここまで6試合、39回1/3を投げ2被本塁打だったが、1試合でそれを上回った。うち2発はスライダー。「全体的に球が高かった。あとスライダーは切れがなく高かったので、それを運ばれた」と唇をかんだ。

 3回の被弾後には新たな実験に着手。高校時代から一貫して投球プレートの三塁側に軸足の右足を置き投げてきたが、それを左打者へは真ん中に移した。「景色は全然変わりますよ」と話し、踏み込む足の場所も変わるため、試合の中で投手が踏み位置を変えることは極めて異例。「シンカーは真ん中から投げた方が、打者に対していい投球ができるんじゃないかなと」。新たな軸球シンカーに角度をつけて生かすための挑戦。「今日はプレートの位置が大事じゃなく、僕が打たれたことが問題」と結果につながらず潔くのみ込んだが、幅の広がりは感じていた。

 「チームが勝って良かったが、僕自身は気分的には何も良くない。いい投球でしか切り替わらないと思う。次、いい投球をします」。最後は力強く宣言。次なる戦いは2連続の中4日となる15日(日本時間16日)、ホワイトソックス戦となる。 (ニューヨーク・後藤 茂樹)

 ≪1試合平均被弾数は1・20本≫田中は今季7試合に登板し、被本塁打は5本で、大リーグ移籍後は51試合で45被弾。米データサイト「ファングラフス」によると、田中がメジャーへ移籍した14年から今季までの3シーズンの「9イニング換算の被本塁打数(HR/9)」は1・20本でア・リーグ9番目に悪い。最も本塁打を打たれにくい投手は昨季サイ・ヤング賞右腕のアリエッタ(カブス)で0・35と低い数値となっている。同期間中の「飛球が本塁打になる確率(HR/FB)」は、田中が規定投球回に達している先発投手ではワーストの15・4%。こちらは12年最多勝左腕ゴンザレス(ナショナルズ)の6・1%が最も低い。

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