ソフトB早くも独走態勢!今季2度目の8連勝 2位ロッテに5差

[ 2016年5月12日 08:00 ]

<ソ・ロ>初回1死、ソロを放った今宮はナインの出迎えを受ける

パ・リーグ ソフトバンク9―5ロッテ

(5月11日 ヤフオクD)
 工藤監督のアーチ指令に応えた。ソフトバンク・今宮健太内野手(24)が11日、ロッテ戦の初回に今季1号ソロ。さらに7回にもダメ押しの2点三塁打を放った。試合前まで打率・186で、強力打線にあって蚊帳の外だった男が主役に躍り出た。チームは2リーグ制以降では初となる、開幕から34試合以内での今季2度目の8連勝。2位ロッテとのゲーム差を5に広げ、リーグ3連覇に向けて早くも独走態勢に入った。

 沈黙を破った。初回1死走者なし。打率・186と低迷していた男は開き直っていた。ロッテ先発・二木の内角速球を振り抜いた打球は左翼席に飛び込む1号ソロ。チームが1分けを挟んだ7連勝中は打点0と不振を極めた今宮が、猛打の導火線となった。

 「打った瞬間、“いった”と思った。久しぶりの感覚。(タイミングは)合っていなかったけど、体がうまく反応した」

 二木は上げた左足が地面につくまでに時間差があり、タイミングの取りづらい投手。この日の今宮の意識は「センター返し」。本塁打した球は少しタイミングを外されたが、始動が早かった分、中堅狙いの打球は左翼への豪快な打球となった。

 変わったのは意識だ。試合前、工藤監督に呼び止められた。前日のアーリーワークでも直接指導を受けていたが、「全打席、ホームランを狙ってけよ」と仰天指令を受けた。思い切り打つことをイメージさせるための指揮官の親心だった。2番打者という意識に加え、今季は開幕から打率を上げようと右方向ばかりを意識した結果、伸び上がったスイングになるなど自分自身を見失っていた。第1打席でのいきなりの好結果に、工藤監督も「逆方向より、引っ張った方がフォームが良かった」と満足げ。今宮は「気持ちを楽にしてもらう言葉を掛けてもらった」と感謝感激の面持ちだった。

 左太腿裏の張りを訴え、3日からの日本ハム3連戦(札幌ドーム)ではスタメン落ちし、出場は5日に代打でバントを決めただけだった。ただ、指をくわえて戦況を見つめていたわけではない。「いい3日間にしたかった」。ベンチから打席を観察し、打者ごとの配球を読んだ。「うまくなりたい。チームを勝たせられる選手になりたい」と、一心に願う24歳がそこにはいた。

 7回2死一、二塁では「あの打球が打てるのが理想」と自賛した2点適時三塁打。香月の外角高めの137キロを鋭いゴロで右中間を破った。4月10日のオリックス戦(熊本)以来、約1カ月ぶりの複数安打に3打点をマークし、2位ロッテとの3連戦で勝ち越しへと導いた。

 「もっとたくさん期待に応えられるよう練習するのみ」と気を引き締めた背番号2。「僕は右方向に打てる打者ではない。勝手に右に飛んでいくバッター」。そう、悟った今宮の巻き返しは始まったばかりだ。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・和田(4勝目も8回に3被弾)あの点差ならスイスイ最後までいかないと駄目。ホームランをちょっと打たれすぎ。

 ≪34試合以内2度は2リーグ制後初≫ソフトバンクが1日西武戦から1分けを挟み8連勝。チームでは4月9日~20日に次ぎ今季2度目の8連勝となった。開幕から34試合を消化したが、34試合以内で2度の8連勝以上は1リーグ時代の47年に阪神が30試合目までに8連勝、11連勝とマークして以来69年ぶり2度目。2リーグ制後ではソフトバンクが初めてだ。

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