楽天ドラ3茂木 パ新人1号 大興奮!「全く覚えていない」

[ 2016年5月12日 08:17 ]

<楽・西>2回2死一、二塁、逆転右越え3ランを放つ茂木

パ・リーグ 楽天8―3西武

(5月11日 コボスタ宮城)
 雨上がりの夜空に描かれたアーチ。しかし、記念すべきプロ初本塁打の記憶はほとんど残っていない。楽天のドラフト3位・茂木は振り返る。

 「正直、チェンジアップを打ったこと以外、全く覚えていないです。2ストライクと追い込まれていたので何とかランナーを還そうと必死だった」。その思いは伝わった。1点を追う2回2死一、二塁から右翼席へ逆転3ラン。パ・リーグ新人一番乗りの本塁打となり、チームに1週間ぶりの白星をもたらした。

 打撃力を評価され、球団の新人野手では史上初の開幕スタメンに名を連ねた。だが、好調は続かない。早大時代とは違い、毎日のように試合が行われるプロ野球。「疲れが出てきた中、いつもと変わらないスイングをしようと力んでいた」と打撃フォームを崩していった。4月20日のオリックス戦では「野球人生で初めて」という1試合5三振の屈辱を受けた。

 不調な打撃は精神面にも悪影響を及ぼし、「僕にとって睡眠がリフレッシュ方法だったのに寝つきが悪くなった」という。ナイターでも午前7時に目が覚める日もあった。苦しむ中でも、本拠地で試合がある日は早出で打撃マシン相手にバットを振り続けた。大学日本代表では阪神のドラフト1位・高山が3番、オリックス1位の吉田正が4番で、茂木が5番を打った。「2人は活躍している。僕なんかまだまだ」。奮い立った。代名詞の「フルスイング」を取り戻し、5試合連続安打と復調してみせた。

 パ・リーグでは98年の小関竜也(西武)以来となる野手での新人王も見えてきたが「一試合一試合必死にやって、そういう結果につながれば」と茂木。どこまでも律義な22歳だ。 (徳原 麗奈)

 ▼楽天・美馬(5回2失点で無傷の4連勝)何とか2点で粘れた。6回までは投げきりたかった。

 ◆茂木 栄五郎(もぎ・えいごろう)1994年(平6)2月14日、東京都生まれの22歳。小金井小1年から武蔵府中リトルで野球を始め、桐蔭学園では甲子園出場なし。早大では3年秋に打率・514で首位打者を獲得。4年春の全日本大学選手権でMVPに輝いた。15年ドラフト3位で楽天入団。座右の銘は「何事にも挑戦」。1メートル71、75キロ。右投げ左打ち。

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