横浜 長南&万波 早くも大物の片りん見せた1年生コンビに注目

[ 2016年4月21日 08:10 ]

16日のデビュー戦で本塁打を放った横浜・長南

 3年ぶりの夏の甲子園出場を狙う横浜(神奈川)で、2人の1年生が定位置獲得へ向けてしのぎを削っている。コンゴ出身の父と日本人の母の間に生まれた1メートル88、90キロのスラッガー、万波中正外野手と、高校デビュー戦でいきなり初本塁打をマークした長南有航(ちょうなん・ゆうこう)外野手だ。

 万波は10日の春季県大会2回戦・霧が丘戦で代打デビューも空振り三振。同じく代打出場した16日の同3回戦・相洋戦では11―0と大量リードの4回に「普通に塁に出ることも大事」と四球を選んで“高校初出塁”した。だがこの試合、話題をさらったのは「1番・右翼」で出場した長南だった。

 この試合、当初1番打者には偵察メンバーが入っており、相手が右投手のため左打者の長南が登場した。2回戦では出場機会はなく、この日がデビュー戦。先頭で迎えた3回の第2打席で中堅右へ1号ソロを放った。デビュー戦での本塁打は早実・清宮もなし得なかったこと。長南は「ホームランは狙っていません。とりあえずヒット、の延長が本塁打になった。打った瞬間、いったと思った」と笑みを浮かべ「万波の存在が大きいので、負けないように頑張っている。自分もやってやろうという気持ちはあります」と胸を張った。

 一方、ベンチで同級生の一発を見届けた万波は刺激を受けていた。「長南とは同じポジション(右翼)で競っているので焦った」。翌17日の4回戦・弥栄戦のスタメンも長南に譲ることを覚悟していた。迎えた17日。「6番・右翼」で初先発のチャンスをもらった万波は、待望の初安打を含む2安打。11―1の7回コールド勝ちに貢献した。長南に負けじと、しっかり結果を出した。

 横浜の平田徹監督は「長南は非常にポテンシャルを持った1年生。ゆくゆくは1番、3番を担える大型選手になってほしいという期待がある。万波とともに大きく育てたい」と言う。横浜では、甲子園4強入りした01年夏は荒波翔(現DeNA)が、同8強の04年夏は福田永将(現中日)が、いずれも1年生レギュラーとして快進撃に貢献した。万波と長南は彼らに続くことができるか。そして、切磋琢磨(せっさたくま)することで成長していくであろう2人の今後が楽しみだ。(記者コラム・原田 真奈子)

続きを表示

この記事のフォト

2016年4月21日のニュース