シリング氏 反LGBT法への言及で失職 過去にも問題発言で処分

[ 2016年4月21日 11:40 ]

カート・シリング氏 (AP)

 米国のスポーツ専門局ESPNは20日、同局で野球解説者を務めるカート・シリング氏(49)の解雇を決めた。

 シリング氏は前日19日に自身のフェイスブックで、ノースカロライナ州において可決されたLGBT(同性愛者など性的少数者の総称)に対して差別的な法案について言及。同法案はトランスジェンダー(心と身体の性が一致しない人)に「出生証明書に記載された性別に応じて公衆トイレを使わなければならない」と義務付けたものだった。

 全米でも議論を呼んだこの法案だが、シリング氏もこれに反応。「トイレは男性用と女性用で構造が異なる。女性は小便器で用を足せない。こんなことをわざわざ法律で示す必要があるのか」といった内容のメッセージを発信した。

 このメッセージを重く見たESPNは「我が社は多様性のある包括的な企業。シリング氏の言動は受け入れがたいもの」と声明を出し、2010年から解説者を務めた同氏を解雇処分とした。

 シリング氏がESPNから処分を受けるのは今回が初めてではなく、昨年にもナチスドイツとイスラム教徒を比較するコメントを自身のツイッターに投稿したため、同局から停職処分とされた。差別問題に神経質な米国において、こうした発言を性懲りもなく繰り返せば、この結果は自明の理。通算216勝を挙げた大投手は、そのあたりの認識が甘かったようだ。

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2016年4月21日のニュース