金本監督 若虎に喝 福留不在…穴埋まらん「若い選手がグイグイと…」

[ 2016年4月21日 06:33 ]

<神・ヤ>選手交代を告げる金本監督

セ・リーグ 阪神1―5ヤクルト

(4月20日 甲子園)
 阪神は20日のヤクルト戦(甲子園)に完敗し、金本知憲監督(48)は5度の好機で決定打を欠いた拙攻を悔やんだ。左太もも裏痛を抱える福留が先発を外れて以降は得点力低下が深刻。先発復帰について「(時間が)かかりそう」と厳しい状況を明かし、「若い選手がグイグイと…」と若虎に奮起を求めた。再浮上へ向けて勢いに乗れない日々が続く中、いまこそ若い力の『超変革』が必要不可欠だ。

 あと1本の差が勝敗を大きく左右した。反撃の好機は幾度となく到来。最大の好機は4点を追う中盤の6回だ。無死一、二塁の場面でゴメスが中飛、鳥谷も遊ゴロ。最後は西岡も食らい付く必死の姿勢を見せながらも空振り三振に倒れた。決定打を欠いた打線に金本監督は唇をかんだ。

 「やっぱり得点圏にいってからのバッティングだよね。きょうに限っては、去年とはあまり変わってない」

 昨季2勝を献上したヤクルト・山中に対して決して無抵抗だったわけではない。6回以外にも好機は十分にあった。序盤の2回。1点を追った1死三塁では今成が速球を打ち損じて遊ゴロ、続く清水も空振り三振に倒れた。3回にも1死三塁から大和が空振り三振、江越も中飛で得点を奪えず、序盤に重ねた拙攻でリズムに乗せてしまった。

 「(山中は難敵でも)だから打てませんじゃ、どうしようもない」

 得点はゴメスのソロだけ。得点圏まで走者を5度も進めながら適時打は1本も出なかった。14日のDeNA戦(甲子園)で開幕から4番を務めてきた福留が左太もも裏を負傷して途中退場。翌15日の中日戦(ナゴヤドーム)から先発を外れた。4番福留を欠いて以降は得点力が一気に低下。5試合の平均得点はわずか2・8点へ落ち、歩調を合わせるように1勝4敗と大きく負け越した。

 福留は代打で存在感を示す一方、出塁後は代走を送られ、試合前のシートノックにも不参加で守備走塁は万全ではない。先発復帰の時期について金本監督は「(時間が)かかりそう」と明かした上で若手に活路を求めた。「若い選手がグイグイとチャンスで、得点圏で結果を出してくれないと」。福留の先発復帰だけにすがっていてはスローガンに掲げる『超変革』は進まないからだ。

 前日19日に5打数1安打だった高山も先発から外した。ベンチスタートは今季2度目。右肘不安の影響もあって打撃が本調子でないと判断し、ドラフト1位も特別扱いしなかった。

 「昨日のバッティングを見てみるとね。競争だしね。若手同士の競争。ベテランと競争しているんじゃなく若手同士の競争だから」

 目指した連勝にあえなく失敗。終盤8回に一挙4得点を奪った前夜の勢いも続かなかった。それでも戦いは続く―。苦境打破の期待をあえて若手に向けた。 (山本 浩之)

 ≪福留非先発時は平均2・8点≫今季の福留(神)はチーム最多のゴメス22打点に次ぐ11打点を記録。殊勲安打も最多の西岡5度に次ぐ4度で、うち勝利打点は最多2度の貢献度。福留が先発出場していた4月14日までの17試合は10勝6敗1分けの勝率・625を誇ったが、先発を外れた最近5試合は1勝4敗の勝率・200。平均得点も4・9点から2・8点へとダウンしている。

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