新井4安打!偉業達成へ一気に前進 今季1号&4打点

[ 2016年4月6日 06:23 ]

<広・ヤ>6回1死一、二塁、新井は左中間に1号3ランを放つ

セ・リーグ 広島12-5ヤクルト

(4月5日 マツダ)
 痛快だ。広島は5日、ヤクルト戦(マツダ)で今季初の先発野手全員安打をマークし、今季2度目で最多の2桁12得点大勝。会沢翼捕手(27)が1号逆転満塁弾を放てば、新井貴浩内野手(39)は1号ダメ押し3ランを含む、今季初の4安打4打点の大暴れ。2000安打まで一気に残り14本とした。6回を7安打2失点に抑えた野村が嬉しい今季初勝利を挙げた。

 新井らしいパフォーマンスだった。丸のソロで5―2とした6回、なおも1死一、二塁の好機。2番手・古野が1ボールから投じた真ん中低めスライダーを振り抜き、左手1本でバットを放り上げる。直後にライナー性の打球はバックスクリーン左へ突き刺さった。

 「ヤクルトは打線が強力なんで、何点あってもいい。自分のスイングがしっかりできた」

 開幕10戦目に飛び出した今季1号は、甘美な余韻と手のひらに好感触が残るダメ押し3ラン。独特のパフォーマンスは、バランスのよいスイングの証明だ。チームの爆勝に貢献し、39歳の表情には充実感がにじんだ。

 「一発長打への欲求はやっぱりあるんです。ここ数年は(本塁打数が)2桁に達していない。それでは寂しいので」

 そう打ち明けたのは日南での春季キャンプ中だった。いきおい、今季はグリップエンドに薬指をかけるほどバットを長く持つが、新井がより重視するのは下半身だ。「踏ん張りが利かず、上体でボールを迎えにいった」ため失速した昨季後半の反省から、例年にないハードワークを自身に課したオフ。筋力維持へ、開幕後もウエートトレを継続する。「バキバキでは試合に出られない。そこは考えながら」。下半身で粘り、十分に引き付けるからこそ発揮されるパワー。低めでもスタンドまで運ぶ秘けつは足だ。

 飛距離だけではない。1号アーチを含め、この日は15年8月21日巨人戦以来となる4安打で4打点。5回1死一塁で成瀬が投じたボールゾーンの低めスライダーを右前に運び、会沢の満塁弾をお膳立てすると、7回には中前適時打、8回にも左前へはじき返した。それもこれも、強じんな下半身の産物だった。

 「成瀬は低めに丁寧に投げていたので、上がった(高めの)ボールは来ないと思い、思い切っていった。4安打? チームが勝ったのが一番。残り14本? いつも言っているように、まったく意識していないよ」

 開幕10試合で15本の安打は、シーズンに換算すると200安打を超える超ハイペース。2000安打へは一気に残り14本となった。近づく偉業。新井が早足でラストカウントを刻む。(江尾 卓也)

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