ガッツ 現役最多2119安打 去就は語らず淡々と…登録即代打でV打

[ 2015年9月13日 05:30 ]

<中・ヤ>スタンドにサインボールを投げ入れる小笠原

セ・リーグ 中日3-2ヤクルト

(9月12日 ナゴヤD)
 中日・小笠原はヒーローインタビューの間、優しげな目でスタンドをずっと見つめていた。本拠地でのお立ち台。割れんばかりの大歓声に身を任せながら「う~ん、最高です。いや、あの…。2カ月ぶりですから」と頬を緩めた。

 希代の勝負師。同点の6回2死満塁、「代打・小笠原」のコールに球場が揺れた。「グラウンドに足を踏み入れた瞬間、これだけの方が声援をしてくれた。その声援に応えるためにも必死に食らいついていった」。意地と、誇りと、執念と。全ての思いをバットに込めた。

 小川の143キロ直球を鋭く振り抜き右前への決勝打。「やみくもにいくのではなく、1球で。1球で仕留められて良かった」。7月29日阪神戦(ナゴヤドーム)を最後に、翌30日に出場選手登録を抹消された。約1カ月半ぶりの1軍の舞台。昇格即、結果を出した。

 41歳。プロ19年目の今季限りでの現役引退が濃厚となっている。お立ち台でも去就について質問された。寡黙な男は「まずあした、また勝てるように」と多くを語らなかったが、世代交代の波は確実に迫っている。若手育成の方針もあり、真夏の8月を2軍で過ごした。残り14試合、チームが最下位という状況での1軍昇格。谷繁兼任監督は「いろんな意味があります」とだけ答えた。そこには最後の顔見せという側面もあるのだろう。

 これで現役最多の通算2119安打。前田智徳(広島)に並ぶ史上26位タイとなった。去就についてあらためて問われた小笠原は「それはそれで。しっかり自分のやることに集中するつもりで、一日一日やっている」と雑音を封印した。侍の最後の生きざま。その雄姿を、少しでもファンの心に刻むためにも、残り試合もガッツはフルスイングを続ける。

 ▼中日・谷繁兼任監督 ファンの声援にしっかり応える。小笠原はさす が。あの集中力は長年かけてできたもの。すぐに若手がまねをするのは無理だと思うけど、少しでも吸収してくれれば。

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