ハムの女性人気No.1西川 高校時代に名将から学んだ「根性」

[ 2015年9月13日 10:00 ]

B・Bとポリーちゃんの祝福に笑顔の西川

 日本ハムで女性人気No.1と言われている西川遥輝。私服で雑誌の表紙を飾るなど、イケメンとしてグラウンド外でも引っ張りだこだ。そんな23歳の原点は智弁和歌山時代。「学んだのは技術うんぬんより根性。やっぱり根性ですね」と振り返る。

 春夏3度の優勝を果たし、甲子園歴代最多63勝を挙げた名将・高嶋仁監督のもとで3年間、野球漬けの日々を送った。ポール間走を100本、腹筋、背筋を各2000回など指揮官自身が「日本一の練習」と胸を張るほどの厳しいメニューをこなしてきた。「3年間やったことは全て今に生きている」と西川。

 高嶋監督の言葉で今でも忘れられないのが「骨が1本折れているくらいなら野球はできる」だという。「2回骨をやっていたのにやれると言われた」と笑いながら振り返る。1年夏の和歌山大会中に右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折。それでも、痛み止めの薬を飲みながら出場した甲子園では13打数6安打、打率・462の成績を残した。2度目の骨折は2年夏だ。予選が始まる直前の6月の練習試合で左手親指の付け根付近を亀裂骨折。完治していない満身創痍(そうい)の甲子園でも12打数4安打をマークした。厳しい環境の中で養われた「根性」が今の西川を支えている。

 「一生感謝しなければいけない人」。そう振り返る恩師の勇退が8月上旬に報道された。同校は初戦敗退していただけに「良い形で終われれば良かったけど…」と寂しそうに話す姿が印象的だった。しかし、同下旬には高嶋監督が当面の続投を表明。「OBも(退任を)止めていたみたい。死ぬまでやるんじゃないですかね(笑い)」とうれしそうだった。

 12日の西武戦(西武プリンスドーム)ではパ・リーグ単独トップとなる29個目の盗塁を決めながらも、奮起を期待され、試合後に2軍降格を通達された。2年ぶりの出場登録抹消という試練だ。この悔しさをバネにはい上がれるか。恩師から学んだ「根性」が試される時が来た。チームはリーグ優勝は厳しい状況だが、CS進出は確実といえる。西川の目標はキャンプで色紙に書いた「日本一」。その可能性は残っている。(中村 文香)

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2015年9月13日のニュース