【高校野球100年】元阪神の立川隆史さん スタンドインより最後の打席

[ 2015年6月23日 10:38 ]

92年夏の準々決勝、池田戦で9回、逆転2ランを放った拓大紅陵・立川

 ラッキーゾーンがなくなった92年。センバツに続いて、夏の選手権も本塁打数は前年の37から14本に激減した。その中、池田(徳島)との準々決勝の9回、左翼スタンドへ逆転2ランを放り込んだ拓大紅陵(千葉)・立川隆史さん(39=元阪神)は「浜風に乗ったんですね。スタンドにコカ・コーラの看板があって、その方向に吸い込まれていった感じだった」と振り返る。

 好投手・宮崎聡相手に、8回を終えて0―1。先頭打者が四球で出塁すると「小枝(守)監督からは“四球の後の初球は積極的に振れ”といつも言われていたので」と、迷わず初球の内角直球を振り抜いた。

 ベンチ入り唯一の2年生。冬休みには早朝4時から日が昇るまでトレーニングをこなし、木製バットを振り込んだ。「竹バットは芯を外すとめちゃめちゃしびれる。木で練習していたのが良かった」。飛距離がアップして、広くなった甲子園でもスタンドに届いた。
 西日本短大付(福岡)との決勝は、三飛で最後の打者になった。「せめて内野ゴロなら一塁にヘッドスライディングとかできるじゃないですか。内野フライだったので…」。本塁打よりも記憶に残る一振りに、頭をかいた。

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2015年6月23日のニュース