メジャーリーグのボールは大丈夫?「空気を抜けないからな」

[ 2015年5月13日 16:42 ]

メジャーリーグの試合球 (AP)

 米プロフットボール、NFLのスーパーボウル覇者ペイトリオッツはチームスタッフが試合で使用するボールに手を加えたことで、リーグから処分を受けることになった。

 パス攻撃を得意とするペイトリオッツに対して有利となるように、ボールの空気圧を規定以下にしたというこのスキャンダル。NFLのボール管理の甘さが露呈したが、メジャーリーグでもかつてはボールボーイがボールの管理を行なっていたこともあるという。

 しかし、現在では審判室で厳密に管理され、その後、グラウンドに運ばれるまでのボールの流れをメジャーリーグの職員がしっかりと監視している。

 実際、その流れではフットボールのようにはいかず、「野球のボールは空気を抜けないからな」とヤンキースのCC・サバシアはジョークで周囲を笑わせていた。だが、選手に渡ったボールには手が加えられた例はあり、メジャー通算221勝を挙げた大投手のジョー・ニークロは指のかかりをよくするためにユニホームへ忍ばせた爪ヤスリでボールに傷をつけ、リーグから処分された。記憶に新しいところでは昨年にヤンキースのピネダがニークロと同様の理由で松ヤニをボールに塗りつけ、10試合の出場停止となった。

 不正とわかっていても、少しでも有利となるように何とかしたいというのが選手心理。しかし、エンゼルスのC.J.ウィルソンは「ボールに何か手を加える手段なんてたいしてないよ。水に浸して重くすれば有利になるだろうけれど、そんなことをしたら今度は投げる方の肘や肩が壊れちゃうからな」と笑い、ボールに小細工をしたところでさほど変わらないこと強調していた。

 ペイトリオッツの“ボールスキャンダル”は問題発覚後からスポーツマンシップに反すると批判を受けている。米国の「国民的娯楽」とも言われるメジャーリーグでは、そんな羞恥を晒してほしくないものだ。

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2015年5月13日のニュース