元ロッテ・56歳フランコ 66歳まで現役!「野球は90%がメンタル」

[ 2015年5月13日 10:30 ]

インタビューに答えるBCリーグ石川のフランコ選手兼任監督

 メジャー通算2586安打を記録し、ロッテでもプレーしたフリオ・フランコ内野手(56)が、今季から独立リーグ、ルートインBCリーグの石川ミリオンスターズの選手兼任監督に就任した。48歳254日のメジャー最年長本塁打記録も持つ野球界のレジェンドは今季10試合に出場し、チームトップの打率・333と打撃好調だ。8月には57歳となる中で現役を続けられている秘けつとは?調整法や日本に対する思い、将来の目標などに迫った。

 ――なぜ56歳で現役を続け、高いパフォーマンスを発揮できるのか?

 「そもそも、それは間違った質問なんだ。56歳だけど年齢よりもプレーできるかどうかが大切だろ?25歳の選手で自分よりプレーできない選手をたくさん知っている。人間はそれぞれ個性がある。能力の違いもある。私の場合は、ちゃんとトレーニングをすること、いいものを食べること、人生の目標に向かって自己管理することで長くプレーできる。90%の人はそれを理解していないけどね」

 ――どんなトレーニングをしているのか?

 「毎日体をしっかり使うことだ。体幹トレーニングなどを日常生活の中で毎日やっている。走り込んだりはしない。球場で走るだけだ。スプリングトレーニングでは血まめができるほど振り込むけど、メジャーだとシーズン162試合ある。球場で投手の球を打つだけだ。目的を持たずに何百回バットを振っても打てるようにはならない。素振りよりボールを打った方がいい。打撃は感覚で打たないといけないからね。ただ、素振りは日本のやり方。間違っているとか、強引に変えてやろうとか言うつもりはない」

 ――若い頃と変わらないトレーニングをしているのか?

 「よく聞かれるね。だが、みんなは認めたがらないんだが、野球は90%がメンタルのスポーツなんだよ」

 ――そのメンタルを強くするには?

 「簡単だ。野球を愛することだ。野球に対する愛だけだ。うまくなりたかったら、愛するくらい大好きじゃないと駄目だ。大好きなものならうまくなれるはずさ」

 ――日本のファンはロッテ時代の印象が強いと思うが?

 「ロッテでプレーしたのはいい思い出だ。千葉で友達もたくさんできて日本のことを大好きになったし、自分が落ち着いてプレーできたんだ。自分や家族に親切にしてもらえてうれしかった。あと、日本人選手がまじめに試合に取り組む姿勢が大好きだった。自分もその選手たちの一員になりたいと思って戦っていたよ」

 ――そして、石川の兼任監督として日本に戻ってきた。

 「日本が好きだからというのが大きな理由だった。そして、ミリオンスターズで日本の野球をもっと深く勉強して、いつかはNPBの監督になれればいいなと思っている。NPBの監督になるという目標に向かっての第一歩を踏み出したかったんだ」

 ――ズバリ、何歳までプレーしたいか?

 「66歳だ。自信はあるよ。もしそうなっても驚かないでくれよ。もし66歳までプレーしていたら、自分は取材して聞いていたんだぞって自慢してくれよ(笑い)」

 ◆フリオ・フランコ 1958年8月23日生まれ、ドミニカ共和国出身の56歳。82年にフィリーズでメジャーデビュー。インディアンスなどでプレーし、レンジャーズ時代の91年に打率.341で首位打者。ロッテには95、98年に所属し、ともにベストナイン受賞。99年にデビルレイズでメジャー復帰し以降は韓国、メキシコでもプレー。08年に現役引退を表明したが14年に米独立リーグでコーチ兼任で現役復帰した。1メートル85、95キロ、右投げ右打ち。

 ▽ベースボール・チャレンジ(BC)・リーグ 日本で2番目となる野球の独立リーグとして07年から試合を開催。初年度は新潟、信濃、富山、石川の4球団が参加し石川が初代王者に。08年から群馬、福井が加入。14年にルートイングループが命名権を獲得して「ルートインBCリーグ」となった。今季から武蔵、福島が新加入して各4チームの2地区制となった。8球団の監督(代行含む)は全てNPB出身者。NPB各球団の2軍などとの交流戦も実施している。

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