西武 12球団唯一開幕4連勝!大阪桐蔭コンビ森&浅村“燃えた”全打点

[ 2015年4月1日 05:32 ]

<楽・西>7回2死満塁、浅村が右前に逆転の2点適時打を放つ

パ・リーグ 西武3-2楽天

(3月31日 コボスタ宮城)
 12球団で唯一の開幕4連勝だ。西武・浅村栄斗内野手(24)が31日、楽天戦の1―2の7回2死満塁で逆転の右前2点打。今季初の適時打が逆転打となり、チームを2002年以来、13年ぶりの開幕4連勝に導いた。昨年11月に左肩を手術した3番打者の復活の一打。西武ライオンズとなってからは開幕4連勝は4度目で、過去3度は全て優勝。獅子の進撃が止まらない。

 最後の打者の飛球は、ヒーローの元に飛んだ。9回2死。二塁を守る西武・浅村は、丁寧にグラブに収めた。マウンドに駆け寄り、大阪桐蔭の先輩・中村とハイタッチした。

 「前の打者が必死につないで、ここで終わるわけにはいかなかった」

 1―2の7回。2死無走者から金子侑の安打と2四球で満塁で巡ってきた。「絶対に外に来る。ギャンブルになってもいいと、真っすぐに絞っていた」とフルカウントで144キロの外角直球をはじき返した。それまでの楽天・福山の投球は5球全て外角。直前の2球はスライダーが続いた配球を読み、狙い通りの一打だった。腹をくくると、6球目の144キロ外角直球を叩き、右前に運んだ。逆転の2点適時打。「うれしかったというかホッとした。逆らわずに打てた」と振り返った。

 昨年11月4日に左肩を手術。再発を防ぐため、キャンプでは打撃練習をメニューから外した。個別での守備練習が続き、周囲に漏らした。「打ちたいです。今、バットを持てたら、夜10時まで振り続ける」。それでも我慢した。2月20日の春季キャンプ打ち上げ後に、フリー打撃を再開。開幕前日の3月26日も一人球場に残り、外が真っ暗になるまでロングティーを敢行した。田辺監督が「浅村はまだ、一人でキャンプをやっているようなもの」と評するほどだった。

 この日の昼、母校・大阪桐蔭がセンバツ準決勝で、敦賀気比(福井)に0―11で大敗した。卒業してからも甲子園出場が決まるたび、スポーツ飲料など差し入れを続けるほど母校愛は強い。後輩たちの無念に、燃えないわけがなかった。

 同じく大阪桐蔭OBの森も奮起した。0―0の2回1死二塁から先制の適時打。2年目のキャンプで1軍スタートを勝ち取ったが、グラウンドでダッシュを怠り、真剣にボールを追わず首脳陣を激怒させた。そして関西遠征中の3月9日、2軍降格を言い渡された。一人荷物をまとめて帰京した19歳は「死にものぐるいで取り組めていなかった」と猛省。2軍では「死んでしまいそうです」と言いながら必死にバットを振った。そして開幕2日前に1軍再昇格。この日は、会心ならぬ改心の一撃だった。そして、「いつかは大阪桐蔭でクリーンアップを打ちたい」と、浅村、中村と主軸を形成する夢を抱く。

 チームは13年ぶりの開幕4連勝。田辺監督は「よっぽど(後輩の敗退が)悔しかったんじゃないか」と笑った。

 ≪過去3度は全て優勝≫西武が開幕4連勝。前身球団を含めチームにとって開幕4連勝以上は02年の4連勝以来13年ぶり11度目。西武になってからは90年5連勝、91年8連勝、02年4連勝に次ぎ4度目で、過去3度は全て優勝に結びつけている。また、チームの新人監督では62年中西監督4連勝、02年伊原監督4連勝に次いで田辺監督は3人目。5連勝に伸ばせばチーム初めてになる。

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