昨秋0―10からのリベンジ!東海大四・大沢 浦学斬りで道勢52年ぶり決勝

[ 2015年4月1日 05:30 ]

<東海大四・浦和学院>決勝進出を決めた東海大四・大沢はガッツポーズ

第87回センバツ高校野球第10日・準決勝 東海大四3―1浦和学院

(3月31日 甲子園)
 最後まで冷静だった。3―1の9回2死一、二塁。東海大四の大沢は諏訪をチェンジアップ3球で追い込む。スライダーを挟み、再びチェンジアップ。中飛に仕留め、ガッツポーズを決めた。徹底した変化球攻めで、最後のピンチを切り抜けた。

 「一人一人に集中して投げることができた。浦和学院さんを倒すために冬の練習をやってきたので、一つの目標は達成できてよかった」

 「0―10」。昨年11月16日の明治神宮大会2回戦で浦和学院に14安打を浴び、6回コールド負けを喫した。マウンドで冷静さを欠き、打撃マシンのごとく打ち込まれた。北海道に戻ると、色紙に敗戦時のイニングスコアを書き込み、寮の自室の天井に張った。坂道ダッシュ30本などで下半身を鍛え、冬場も投げ込んだ。就寝前に必ず屈辱のスコアを目に焼き付け、4カ月を過ごしてきた。

 あれから135日。2回に3連打で1点を失っても慌てない。「スイングが本当に鋭くて、甘い球は投げられない。コースをしっかり突いていこうと思った」。カーブ、スライダー、チェンジアップを要所で配し、130キロ台の直球を速くみせた。9安打を浴びながらも1失点に抑えた。

 試合前には三塁側室内練習場で、控え選手の村瀬とショートバウンドの捕球勝負。負けた村瀬は「あいつはリラックスしていた」と言う。エースは平常心でマウンドに上がっていた。打っても3安打。失点直後の2回に同点の中前適時打を放った。1点リードの6回にもセーフティースクイズ(記録は三塁内野安打)を決め、自ら援護した。

 北海道勢52年ぶりの決勝の舞台。初の頂点へ、大脇英徳監督は「甲子園の特別な力を感じる。勝っても負けてもすっきりしたゲームがしたい」と気負いはない。4試合で420球を投げてきた大沢は「優勝してみんなで笑顔で終わりたい」と力強く宣言した。

 ▼JR北海道・西嶋(昨夏の東海大四のエース。超スローカーブで甲子園を沸かせた)正直凄いと思った。日本一を目指しているし、優勝しなきゃいけないという気持ちが出ていた。

 ▼14年ソチ五輪男子スキー・ジャンプ銀メダリスト、葛西紀明(東海大四OB)決勝進出おめでとうございます。母校の快進撃にむちゃくちゃ感動してます。優勝まであと1勝だ!頑張れ!

 ▼吉沢秀和氏(元巨人。63年センバツで北海のエースとして北海道勢初の決勝に進出。現在は長野県佐久リトルシニアで指導)当時も今と変わらない盛り上がりをみせた。札幌の学校が活躍してくれるとうれしい。やってくれると思いますよ。

 ◆大沢 志意也(おおさわ・しいや)1997年(平9)4月10日、北海道生まれの17歳。小1から「天塩タイガース」で野球を始める。天塩中では軟式野球部に所属し、投手と内野手。東海大四では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。50メートル6秒6、遠投90メートル。1メートル74、69キロ。右投げ左打ち。

 ≪春夏通じて埼玉勢から初勝利≫東海大四が浦和学院に勝ち、北海道勢は春夏通じて5度目の対戦で埼玉勢から初勝利を挙げた(春3敗、夏1敗)。

 ≪優勝未経験の都道府県同士の対戦≫東海大四は北海道勢として63年準優勝の北海以来52年ぶり2度目、敦賀気比は福井勢として78年準優勝の福井商以来37年ぶり2度目の決勝進出。優勝未経験の都道府県同士の対戦は、09年清峰(長崎)―花巻東(岩手)以来。福井は勝てば春夏を通じて初優勝。

 ≪センバツは史上初の対戦≫センバツで北海道勢と福井勢の対戦は史上初めて。夏は8度あり、福井勢が6勝2敗と勝ち越し。

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