リアル「ルーズヴェルト・ゲーム」!阪神、逆転に次ぐ逆転で劇勝

[ 2014年6月13日 05:30 ]

<ロ・神>8回、代打で逆転打を放ってベンチに戻り、笑顔でポーズを決める新井良

交流戦 阪神8―7ロッテ

(6月12日 QVC)
 これがリアル「ルーズヴェルト・ゲーム」だ!阪神は12日、ロッテに8―7で逆転勝ちし、連敗を2で止めた。負ければ貯金0という窮地で7回に4点を奪われて逆転されたが、8回2死満塁から新井良太内野手(30)が走者一掃の二塁打を放ち、再び試合をひっくり返した。TBS系で放送中の同名のドラマも好視聴率をキープ。「8―7」の試合は、これで06年から7連勝となった猛虎が、果たしてドラマのような逆転劇を起こすのか――。
【試合結果】

 逆転、逆転、また逆転…。米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が「一番面白いスコア」と言った「8―7」のシーソーゲームを制したのは、阪神だった。

 5―3から5―7と逆転された直後の8回だ。2死満塁とし、和田監督は代打・新井良を告げた。6月に入って兄の新井が三塁で起用される試合が増え、出番が極端に減っていた男が「主役」になった。代わったばかりの左腕・松永の初球にバットを出したが、直球に完全に差し込まれ、中飛かと思われた。

 しかし、QVCマリン独特の強風で打球が押し戻される。「岡田君は物凄く守備がうまいので“落としてくれ!”と思いながら走った」。名手・岡田がダイビングキャッチを試みたが、グラブの先に当ててはじき、その間に3人の走者が生還した。祈りは届いた。

 5月25日ロッテ戦(甲子園)以来、出場6試合ぶりの打点。「最高に気持ちがいい。この大声援が落としてくれたと思います」。敵地でのヒーローインタビューで、新井良は興奮気味に執念の決勝二塁打を振り返った。

 4月27日にドラマの放送が始まってから初の「8―7」だが、阪神は実は「ルーズヴェルト・ゲーム」にはめっぽう強い。06年8月31日の中日戦(甲子園)からこれで7連勝。新井良は今季の満塁機はこれで8打数4安打(打率・500)、10打点となり、ドラマの「主役」を張るには、ふさわしい選手だった。

 チームは負ければ4月10日以来、63日ぶりに貯金を吐き出す窮地だったが、しびれる試合を制し、踏みとどまった。和田監督は「2度、よくひっくり返した。つなぎも含めてよく追い越したよ」と目尻を下げた。

 ▽「ルーズヴェルト・ゲーム」 TBS系列で毎週日曜の午後9時から放送中。原作者は昨年話題となった「半沢直樹」と同じ、池井戸潤氏。倒産危機の中堅機器メーカーと野球部の興亡が描かれている。タイトルはフランクリン・ルーズベルト32代米大統領が「一番面白いゲームスコアは8―7」と語ったことに由来する。キャストも唐沢寿明、江口洋介ら豪華布陣。西武、巨人などで活躍した工藤公康氏の長男・阿須加が投手役で好演している。

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