今宮決めた!ソフトB、9回3点差逆転 岩瀬討ちサヨナラ

[ 2014年6月13日 05:30 ]

<ソ・中>9回2死二、三塁、サヨナラ打を放った今宮は本多(左)と抱き合って喜ぶ

交流戦 ソフトバンク4―3中日

(6月12日 ヤフオクD)
 今宮が決めた!ソフトバンクは12日、中日戦で劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。0―3で迎えた9回に1点差まで詰め寄り、2死二、三塁から今宮健太内野手(22)が左中間へ2点二塁打。球界を代表するクローザー岩瀬を打ち崩した。チームは今季3度目のサヨナラ勝ち。敗色濃厚の試合をうっちゃった1勝の価値は大きい。

 それは見えない追い風だった。1点差に追い上げた9回2死二、三塁。今宮は中日・岩瀬の128キロスライダーに対し、体をいっぱいにねじった。左中間フェンスを直撃するサヨナラの2点二塁打だ。今宮にとって4月3日の日本ハム戦以来今季2度目、通算3度目のサヨナラ打。背番号2を中心に歓喜の輪は幾重にも広がった。チームでもひときわ小柄な1メートル71の22歳はすぐ見えなくなった。

 「ドーム(の屋根)が閉まっててよかった」

 ヒーローの第一声が、この奇跡の逆転劇を象徴した。この日は6度目のルーフオープンデー。屋根を開けた状態ではドーム内で風が巻き、打球が飛びにくくなる。2回無死、中日・和田の中越えフェンス直撃二塁打は「和田さんの打球はホームランだと思ったけど、入らなかった」と今宮。だが、試合後のイベントに備え、8回裏終了時点から屋根は閉じ始めた。開いていれば押し戻されていたかもしれない。このイベントは5連勝で通算5勝1敗。風を味方につけている。

 “風”はその前にも吹いていた。前日11日の同カードでは3点を追う9回2死一塁の場面で、同じ岩瀬に二ゴロに打ち取られた。「岩瀬さんはシュートのイメージ。その球をセンターに打ち返そうと思っていました」と意識し打席に立った。だが、力んで2ボールからの3球目をファウルし自打球を受けた。打席を外すだけでは得られない十分な間が取れ、バットを振りすぎていたことに気づいた。「コンパクトに振ろう」と思い直し、シュートの意識で入ってきたスライダーにも反応できた。

 「終わってみればだね。野球は分からん。最後の1アウトまで分からん。こういうのもドラマ。今宮は集中していた」と秋山監督は冗舌だった。打撃10傑に5人が入る強力打線で打率・245は今宮にとって満足できない数字だ。「常にナンバーワンを意識してやってる。日本一になるために交流戦も優勝する」。小さなヒーローは歓喜の余韻に浸ることなく、まずは目の前の頂点を狙うと誓った。

続きを表示

2014年6月13日のニュース