マー君、あるぞ球宴先発!トップ10勝、防御率&勝率も1位

[ 2014年6月13日 05:30 ]

<マリナーズ・ヤンキース>8回1死一、三塁のピンチを二直併殺で切り抜け吠える田中(AP)

ア・リーグ ヤンキース4―2マリナーズ

(6月11日 シアトル)
 ヤンキースの田中将大投手(25)が11日(日本時間12日)、マリナーズ戦に先発し、自己最多タイの11三振を奪い、6安打2失点完投。両リーグトップタイとなる10勝目(1敗)をマークした。防御率、勝率も1位で、7月15日(同16日)に行われるオールスター戦で先発投手を務める可能性も出てきた。また、レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)はマーリンズ戦でメジャー初完封を飾り7勝目(2敗)。日本投手2人の同日完投勝利は史上初となった。

 今季2度目の完封目前となった9回1死一塁で、これぞメジャーという一発を浴びた。長打警戒で狙い通りに外角へ速球を投げ込んだが、5年連続打率3割のカノにライナーで左中間席に運ばれた。右翼のイチローも「あの打球で、あの低さで、左に打てる人は限られている」と称賛する強烈な打球だった。

 田中も驚いた。だが、すぐにスイッチを入れ直した。「あまり経験がない(打球)。悔しかったというのはあるけど、“うまく打たれたな”と切り替えやすかった」。被弾後は走者を出せば交代だったが、鬼のような形相で2者連続見逃し三振。110球目となった最後の1球は、この日最速タイの95マイル(約153キロ)を計測した。

 メジャー13試合目で2桁勝利に到達。試合後、その感想を求められたが「何もないです」と強調した。そして、立ち上がりざまに「勝ち星はシーズンが終わってから振り返ります」と付け足して会見場を後にした。

 ここまで多くの日本投手が、1年目は中4日の登板間隔や球数制限など、環境の違いに苦戦してきた。だが、田中は「日本とは考え方が違う」と全てを受け入れてきた。例えば、登板3日前に入るブルペンでの投球数はわずか20球ほどで「(中4日で)そんなにビュンビュン投げてられない」と全力投球はせず、フォームを確認する程度。短い登板間隔の中で体の負担を減らすために導き出した答えだ。09年のWBCでダルビッシュと練習法について議論を交わしたことがある。その時に、自分の体調に合わせて練習量を調整する重要性を再確認した。

 一塁側ベンチでは、岩隈が楽天時代の同僚の快投を見つめていた。「前まではダーンと勢いよく(体を)使っていたのを、うまく力を逃がして投げているなと感じた」と変化を分析。臨機応変に環境に適応できる能力はずばぬけている。

 チームが33勝31敗と苦戦する中、3分の1近くの白星を挙げ、一人で9の貯金をつくっている田中。求めるものが高いから、完投勝利の瞬間も笑顔はない。すでにエースの風格。大リーグ公式サイトは「オールスターの先発最有力候補」と伝えた。

 ▼ヤンキース ジョー・ジラルディ監督 ここまでの成績、勝ち数を見てほしい。彼の存在は大きい。過去に同じくらいの活躍をした選手?思い浮かばないよ。

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