ドクターK・ダル “最も三振しない男”斬って4勝目!

[ 2014年5月24日 05:30 ]

<タイガース・レンジャーズ>7回、3人で仕留め、グラブをポン叩いたダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ9-2タイガース

(5月22日 デトロイト)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が22日(日本時間23日)、タイガース戦に先発し、7回を6安打2失点で今季4勝目をマークした。初回1死一、二塁のピンチで、「最も三振をしない打者」ビクター・マルティネス捕手(35)を空振り三振。これで流れを引き寄せると、序盤の大量9得点のリードを背にリーグ最高のチーム打率・275を誇る強打線を抑えた。タ軍戦は5戦5勝。
【試合結果】

  メジャーで「最も三振を奪う投手」と「最も三振をしない打者」。究極の対決は、いきなり招いたピンチで訪れた。初回、先頭をストレートの四球で歩かせるなど本調子ではないダルビッシュは、1死一、二塁でマルティネスを打席に迎えた。

 「三振をあまりしない打者なので。三振を狙いにいくというよりも、凡打になってくれ、という感じで投げていました」

 2球で追い込んだが、相手も意地を見せる。3球目は抜群の選球眼で外角低めを見極められた。その後3連続ファウルで粘られるも、8球目、内角低めスライダーにバットが空を切った。「最後はいいところにスライダーを投げられた」。結果は三振。続くケリーは右飛に仕留め切り抜けた。

 スラッガーの三振数は本塁打数の倍以上となるのが通例だが、マルティネスはここまで180打席で、12本塁打に対し11三振だった。1956年以降、30本塁打以上して三振数が下回ったのは、04年のバリー・ボンズ(45本塁打>41三振)ただ一人。現代野球の常識を覆せるかと騒がれていたが、昨季の奪三振王が数字をイーブンにした。

 チームも勢いづいた。直後の2回に味方は2点先制。4回までに9点を積み上げた。ダルビッシュも3回無死一、二塁のピンチでカブレラ、マルティネスと続く中軸を三直併殺と中飛に抑えるなど、5回まで得点を許さない。大量援護を背に7回2失点でまとめ「きょうは全体的に良くはなかった。その中で要所でしっかりと投げられた」。抑えるべき対決を制し、流れをたぐり寄せた。

 チームは今月ようやく2度目の2連勝で、借金を1まで戻した。故障者が多く暗いニュースが続く中、チームを鼓舞するエースの勝利だった。

 ◆ビクター・マルティネス 1978年12月23日、ベネズエラ生まれの35歳。打率・327はリーグトップ。今季は13・75打数で1三振の割合で、三振率はリーグで最も低い。昨季も9・8打数で1三振の割合で、リーグ最少三振率。昨年5月21日から今年5月5日まで、ポストシーズンも含め641打席見逃し三振がなかった。ダルビッシュとは通算で6打数無安打1三振。10年までは捕手だったが、タイガースに移籍した11年からは主に指名打者。右投げ両打ち。今季年俸1200万ドル(約12億2400万円)。

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