新井 16年目の危機感 母校で初始動「補強を見ればわかる」

[ 2014年1月6日 05:30 ]

昨年1月の自身の投球フォームをまねる新井

 阪神・新井貴浩内野手(36)が5日、広島市にある広島工高で本格始動した。プロ16年目にして母校でのトレーニングは初。チームが「4番・一塁」起用を見込んでマウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ)を補強した中、定位置取りへ挑むことになるベテランは原点回帰の思いを込めて、苦しい練習に耐えたグラウンドでのスタートを選んだ。背水の決意で優勝、そして11年打点王以来の打撃タイトル奪取を誓った。

 変わらない懐かしい景色と踏みしめた土の感触が、新井をいっそう、奮い立たせた。

 プロへの憧れを胸に20年前、このグラウンドで誰よりも声を張り上げ、日が暮れるまで白球を追った。「昔と変わっていないですし、高校時代を思い出しました。苦しいことばっかり。でも、やっぱりもう一回、原点に。自分が育った場所でスタートを切って、また今年一年、ハツラツと野球をやりたい」。背水の思いで迎えるシーズンの本格始動にふさわしい場所で、キャッチボールやティー打撃など3時間にわたって汗を流した。

 置かれた立場は理解している。「補強の仕方を見ればわかる」。昨季は前半戦こそ中軸で力を発揮したが、失速するように夏場以降はスタメン落ちが増え、打率・267、15本塁打、70打点でシーズンを終えた。オフになり、チームはゴメスを獲得した。自身が守った一塁の候補として―。

 37歳で迎える今季へ「まだまだ若いと思っている」と言い切り、言葉を続けた。「結果を出すしかない。今年が一番いい成績だったと思えるシーズンにしたいですし、そういう数字を残したい。何かタイトルを獲りたい。打点…でもね。ホームランもいいな。でも、まずは試合に出ないことには」。新戦力と争う一塁のほか「何があってもいいように」と、11年シーズンまで主戦場とした三塁に就くことも見据え、タイトル奪回を狙う。

 手応えも得ている。12年から苦しめられた右肩の話題になると、じょう舌になった。「キャッチボール、良かったでしょ。去年のこの時期とは大違い。投げていて楽しい」。この日は高校時代の同級生相手に約50メートルの遠投もこなした。

 母校のグラウンドには、日本ハムで高卒1年目を終えた宇佐美も姿を見せていた。発展途上の19歳内野手が契約トレーナーのもとで取り組む動きがハードなメニューに、新井も飛び入りで参加。心技体の充実ぶりの証明で、「体の動かし方とか色々取り組んでいる」と事もなげに言った。

 7日以降は、甲子園のクラブハウスでトレーニングし、今月中旬には例年通り鹿児島・最福寺の護摩行に向かう。「コンディションは絶好調。肩も万全。早く野球がしたい」。完全復活を期すシーズンに向かう表情は、自分への期待にあふれていた。

 ▼新井の広島工時代 甲子園出場はない。3年夏の広島大会は二岡(前日本ハム)と福原(阪神)を擁する広陵を3回戦で下したものの、ベスト16にとどまった。駒大を経て98年ドラフト6位で広島入り。弟・良太は広陵出身。

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