井端 巨人移籍あるぞ!複数球団が獲得へ名乗りか

[ 2013年11月5日 08:00 ]

09年7月、オールスター第2戦で原監督(左)とグータッチする井端

 中日は4日、井端弘和内野手(38)の退団を発表した。今年3月に行われたワールドベースボールクラシック(WBC)では侍ジャパンの一員として活躍したが、シーズンでは故障もあり打率・236に終わった。10月に行われた下交渉で今季の年俸1億9000万円から、減額制限の40%を大幅に上回る3000万円前後の提示を受け、態度を硬化させたとみられる。球団は自由契約の手続きを取った。今後は複数球団が獲得に名乗りを上げるとみられるが、二塁手が手薄な巨人が獲得に乗り出す可能性が高くなった。

 渦中の井端はこの日も姿を見せなかった。突然の退団。球団広報を通じて今の心境を明かした。

 「今後のことは何も考えていません。この先、何をするにしても、手術した手と足の治療が必要。リハビリに専念します。応援していただいたファンの皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです」

 10月下旬に行われた下交渉では、減額制限の40%をはるかに超える80%以上の大幅ダウン提示を受けた。金額にすると今季年俸1億9000万円から3000万円前後の提示を受けたもよう。態度を硬化させた井端はその後、チームが秋季練習を行っているナゴヤ球場に姿を見せなくなった。

 緊急会見を開いた西山和夫代表は「今朝も電話したが、意志が固かった。大功労者だし本当に残念ですが、契約を更新できない」とした。野球協約では年俸1億円を超える選手には40%の減額制限が設けられており、それを上回る場合は本人の同意がなければ自由契約となる。苦渋の決断だった。

 10月に右足首と右肘の手術を行ったが、来季の開幕には十分に間に合う見込み。もちろん現役続行への意欲は強く、今後は10日の合同トライアウト後に全球団との交渉が解禁される。過去ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞7回の遊撃手には複数球団が獲得に乗り出すことが予想される。

 その有力候補が巨人だ。2年連続リーグ優勝を果たしたが、原監督は「二塁はうちのウイークポイント」と話すなど、正二塁手の不在は近年の課題となっている。今季、二塁手として先発したのは、59試合の寺内が最多。ポストシーズンでは広島・前田健、楽天・田中から本塁打を放ったが、シーズンでは打率・225とまだまだ力不足は否めない。6年目の中井も24試合に先発したが、8月4日の阪神戦(東京ドーム)で左膝じん帯を損傷し、チャンスをモノにできなかった。二塁もこなす井端は補強ポイントに合致しており、球団では今後編成会議を開き、獲得に向けた検討を行う見込みだ。

 井端の持つ経験値は、遊撃の坂本にとっても好影響を与える。坂本は3日の日本シリーズ第7戦(Kスタ宮城)で初回に失策を犯し先制点を与えるなど、粗削りな部分もある。井端が二塁に入り二遊間を組めば、生きた教材とのコンビで吸収する部分も多い。

 来季17年目を迎えるベテランの去就に注目が集まる。

 ◆井端 弘和(いばた・ひろかず)1975年(昭50)5月12日、神奈川県生まれの38歳。堀越から亜大に進み97年ドラフト5位で中日入団。01年にレギュラーに定着して全試合出場を果たすと、その後も堅い守備と好打を武器に活躍。ベストナインを5度、ゴールデングラブ賞を7度受賞。今年3月のWBCでは侍ジャパンで4強。指名打者部門の優秀選手に輝いた。1メートル73、75キロ、右投げ右打ち。

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