マー君 投手部門で全米トップ評価 “伝説的な連投”はマイナス材料に

[ 2013年11月5日 06:00 ]

全米が動向を注視する田中(右)

 マー君が投手部門で第1位!米移籍情報サイト「トレード・ルーマー」は3日(日本時間4日)、今オフFA市場の目玉選手をランク付けし、楽天・田中将大投手(25)が投手では最高となる全体5位に格付けされた。その一方で、日本シリーズ第7戦での連投についてスカウトに懸念を示されるなど、ポスティング・システム(入札制度)による移籍が有力視されている右腕の動向を、全米が注視している。

 田中が通算105勝右腕サンタナ、ヤンキースの右のエース黒田らを上回る高評価を与えられた。「MLB・トレード・ルーマー・ドットコム」は、大リーグの選手、首脳陣の移籍や去就情報などを掲載するサイトの大手。各メディアや記者のツイッターに載った情報などを集めるとともに、自前でも注目選手などに関する特集を組む。今回は「FA選手上位50選手と移籍先予想」と題された特集で、全体5位、投手で1位にランクインした。

 田中についての寸評は「厳密にはフリーエージェントではないが、入札制度を利用するとみられる」との注釈から始まり、「素晴らしいスプリットを持っており、ローテーションの2番手に入る力がある」との分析を紹介。ドジャース、ヤンキース、エンゼルスの3球団をはじめ、レッドソックス、ブルージェイズ、カブスなど14球団を巻き込んだ争奪戦になる可能性があるとしている。最終的な移籍先はドジャースと予想された。

 一方で、ニューヨーク・タイムズは田中の「伝説的な連投」に疑問を投げかけた。日本シリーズ第6、7戦で合計175球を投げたことについて、現地で視察した匿名スカウトの「彼の肩が心配だ」とのコメントを掲載。「数球団が、獲得することに警鐘を鳴らす可能性がある」と伝えた。さらに「最速154キロの球速は148キロ~151キロへと落ち、球も高かった」と球威と制球力の低下を指摘し「落札した球団は(肩、肘の)検査を要求するだろう」とした。

 現在の日本球界でもその傾向は高まっているが米国では、はるかに球数に関してナーバスだ。投手の肩は消耗品との考え方から、練習での球数も厳しく管理される。今春センバツでの済美・安楽の連投も米メディアで非難された。

 日米間で改定に向けて協議が重ねられている入札制度は、一両日中にも新制度が発表される見込み。田中をめぐる本格的な争奪戦が、いよいよ幕を開ける。

 ◇田中の2日で175球 2日の日本シリーズ第6戦に中5日で先発し、2―0の5回に3失点。6回にも1点を失い、7回を投げ終えると首脳陣から交代を打診された。しかし「最後まで行きます」と直訴。4失点完投負けもプロ最多の160球を投げきり、最後は高橋由を152キロ直球で空振り三振に仕留めた。翌3日は志願のブルペン待機で7回から投球練習。3点リードの9回に登板し、2安打されたがこん身の15球で無失点に抑え、胴上げ投手になった。

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2013年11月5日のニュース