岩瀬 大魔神超え382S 今季巨人戦は一本の安打も許さず

[ 2013年9月19日 06:00 ]

<中・巨>通算382個目のセーブを挙げ、谷繁(左)と抱き合う岩瀬

セ・リーグ 中日3-2巨人

(9月18日 ナゴヤD)
 勝利の瞬間、少しだけ笑顔を浮かべた中日・岩瀬は花束を掲げてファンの声援に応えた。

 「今は記録よりも勝ててホッとしている。正直、実感はない。佐々木さんはメジャーでもあれだけの数字を残してきた。比較するのはおかしいけど、数字で抜けたのはうれしく思います」

 1点リードの9回にマウンドに上がり、先頭・高橋由を四球で歩かせたが代打・矢野を中飛、坂本、寺内を連続三振に斬った。今季36セーブ目。横浜(現DeNA)、マリナーズで活躍した佐々木主浩氏の日米通算記録を抜く通算382セーブ目を挙げたが、まずはチームの白星を喜んだ。

 新人から15年連続で50試合以上を投げ、05年から9年連続30セーブと驚異的な強じんさを見せる。そんな鉄腕を見いだした当時の星野監督は「クローザーで10年やるのは大変。あいつがいたら監督は助かる」と賛辞を惜しまない。プロ初登板は99年、広島との開幕戦。先発・川上の後に登板したが1死も取れなかった。「アウト一つの重さを最初に知った。いかにアウト一つ取るのが難しいか。アウト一つの重みを感じながらずっときた」。だから、努めて淡々と数字を積み重ねてきた。

 今季7試合目の巨人戦登板で岩瀬は負けなしの6セーブ。その内容も特筆すべきで打者22人に対し、一本の安打も許さず、四球もこの試合の1つだけ。この日も一球ごとに歓声が上がる中で冷静だった。敗れれば、19日にも巨人に目の前で胴上げを許す可能性もあった。「(白井文吾)オーナーに“胴上げはさせるな”って言われていたけれど、“はい”って言えなかった」と高木監督。これでクライマックスシリーズ(CS)を争う3位広島とは4・5ゲーム差。守護神が逆転の可能性をつないだ。

 記録に満足するのは戦いを終えてからという考えだ。この先に控える400セーブについて聞かれ、「まずは一つやっていく」と答えたのも岩瀬らしかった。

 ◆岩瀬 仁紀(いわせ・ひとき)1974年(昭49)11月10日、愛知県生まれの38歳。西尾東から愛知大を経て、NTT東海で投手転向。98年ドラフト2位で中日入団。1年目から中継ぎで活躍し、04年から抑えに転向。05年にプロ野球記録のシーズン46セーブを達成。99、00、03年に最優秀中継ぎ投手、05、06、09、10、12年に最多セーブを獲得した。1メートル81、85キロ。左投げ左打ち。

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