松井氏8月に帰国予定 巨人「入閣」本格交渉へ

[ 2013年5月10日 06:00 ]

出発ゲートに向かう松井秀喜氏

 巨人、ヤンキースなどで活躍し、国民栄誉賞を受賞した松井秀喜氏(38)が9日、成田空港発の日航機で離日し、自宅のある米ニューヨークに同日(日本時間10日未明)到着した。松井氏は、8月に再び帰国する予定を周囲に明かしていることが判明。その際、巨人の指導者として来季以降の入閣へ、本格交渉に入る可能性が出てきた。巨人は松井氏の意向を十分に尊重しながら、受け入れ態勢を整える構えだ。

 最後まで、笑顔を絶やさなかった。松井氏は13時間を超えるフライトを経て、ニューヨーク・JFK空港に到着すると、日本人観光客との記念撮影に気さくに応じた。報道陣の「バタバタ(の日本滞在)でしたね」との問いかけには「疲れました」と苦笑い。昨年2月以来の日本滞在で国民の誰よりも、注目を浴びた1週間を終えた。

 8日は、国民栄誉賞を同時受賞した巨人・長嶋茂雄終身名誉監督とともに、安倍晋三首相から公邸に招かれて夕食会に参加。9日、多摩川グラウンドで2軍練習を視察した長嶋氏は、夕食会の席上での松井氏との話題について「そういう(今後の)話は、あまり出なかったな」と話した。一方で「時間がたてば、いろいろ(話が)出ると思うので」と続けた。

 夕食会中の入閣要請については、白石興二郎オーナーらも否定。しかし、近い将来の指導者就任は、渡辺恒雄球団会長を筆頭に、読売グループの総意でもある。松井氏自身も5日の引退セレモニーで「また、いつか皆さまにお会いできることを夢見て、また新たに出発したいと思います」とファンに向けて決意を口にした。松井氏が望めば、その「出発」に向けた本格的な交渉が、再び帰国した時に実現する。

 松井氏は、7月に古巣ヤンキースと「1日限定契約」を結び、ヤ軍による引退セレモニーに出席する。ヤ軍との別れを告げた後は「8月に、もう一回(日本に)帰ってくる」と、再び帰国する予定を周囲に明かしている。8月、プロ野球はペナントレースの真っただ中。正式なオファーには至らないとしても、今回の帰国で実現しなかった渡辺会長ら球団首脳との話し合いの場が設定されれば、今後に関しての具体的なプランが提示される可能性は十分ある。その上で、指導者になるための修業がスタートする。

 渡辺会長が「松井君の方がどう考えるかだよ」と話している通り、球団は監督就任までのプロセスについて、松井氏の意向をあくまで尊重する。ポストについても助監督、ヘッドコーチ、打撃コーチなど、複数のプランを用意しているとみられる。この日朝、巨人の球団関係者は松井氏の自宅を訪れてあいさつ。再渡米直前に「今後もできれば協力してください」と直接ラブコールを送ったという。松井氏の心には、どう響いたのか。8月。再びゴジラが「時の人」となりそうだ。

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