大谷打率3割 二塁打2本に強肩で初補殺も

[ 2013年5月10日 06:00 ]

<日・楽>6回2死三塁、左中間に適時二塁打を放つ大谷

プロ野球 パ・リーグ 日本ハム2-6楽天

(5月9日 札幌D)
 右翼の守備に就いた大谷に、本拠地のスタンドから初のコールが送られた。だが負け試合では喜びも半減。帽子を取って深々と頭を下げた二刀流ルーキーに笑顔はない。

 「凄くうれしかったですけど、次はもっと接戦で打っていけるようにやりたいですね」。6回2死三塁からのプロ3打点目は本拠地初打点。マウンドには昨年までメジャーで活躍した楽天・斎藤がいた。メジャー入りを真剣に考えていた花巻東時代に何度もテレビで見てきた同じ東北出身の大先輩だ。「凄いなとか思いながらテレビで見ていました」。だが25歳上の相手に対しても冷静だった。「球種は多いし動く球は打ちづらい。球種を絞っていかないと」。1ボールから直球を空振りしたが、タイミングが合っていた。狙いは変えない。3球目、143キロ直球を左中間へ運んだ。

 4回の左中間二塁打に続き、初のマルチ長打を達成。守備では6回1死一、三塁から嶋の右飛を処理すると、ノーステップでカットに入った一塁・ホフパワーまで返球。タッチアップを狙った三塁走者のマギーを刺して初補殺もマークした。右足首を捻挫して2軍調整中は、同じく2軍にいた稲葉の打撃を観察。高校時代からフォームを参考にしてきたベテランが、夜間でもマシンを打ち込む姿を見てプロの厳しさを痛感した。再昇格後12打数4安打。通算打率も3割に達したが、5連敗では喜ぶわけにはいかない。

 「ちょっとまずい。元気を出すのは若手の仕事なので、勝てるようにしっかりやりたい」。18歳はチームのために、ただ無心でバットを振る。

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