賢介 慣れない遊撃で2失策…生き残りに課題「もっと練習を」

[ 2013年3月3日 06:00 ]

<ジャイアンツ・アスレチックス>3回、右前打を放つジャイアンツ・田中

オープン戦 ジャイアンツ13―9アスレチックス

(3月1日 フェニックス)
 ジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加している田中賢介内野手(31)が1日(日本時間2日)、アスレチックス戦に「8番・遊撃」で先発出場。オープン戦6試合目で初となった遊撃では2失策を記録したが、前日に初安打を放った勢いに乗って1打数1安打2四球。初盗塁も決め、2得点で勝利に貢献した。メジャー昇格を目指し、打って走って猛アピールした。

 無安打のトンネルを抜け出し、本来の姿を見せ始めた。3回1死一塁の初打席。田中は対左打者に被打率・216を誇る1メートル98の長身左腕ブレビンズの初球を捉えて右前に引っ張った。前日から2打席連続安打だった。「真ん中より高め。ガンガン打っていいと言われたので」。好球必打でチャンスを広げ、その後に勝ち越しのホームを踏んで初得点も記録した。

 振るだけが仕事ではない。4回の第2打席では、しっかりと見極めて初四球を選んだ。内角は狭く、外角に広いメジャーのストライクゾーンに適応してきた証拠で、次打者の打席で初盗塁。「ボールもストライクゾーンの感覚も、少しずつ合ってきた。どんどん走っていいと言われているので、アピールできたと思う」。6回にも四球を選んで全打席で出塁。下位打線の役割を果たした。

 初の遊撃では2失策を犯した。3回2死満塁で二遊間への強い打球をお手玉してしまい、この間に2点を失った。4回には一塁へ悪送球。「(3回は)バウンドが変わって焦って、(4回は)大事に行きすぎた。二塁と景色が違うので練習しないと」と猛省した。

 チームが田中に求めるものは、内野のユーティリティープレーヤー。日本ハム時代の定位置だった二塁はそつなくこなしているが、それだけでは不十分であることを、田中も重々承知している。ブルース・ボウチー監督も「(遊撃は)まだ日が浅い」とかばいつつ「複数の位置を守らなければいけない。簡単ではないが、もっと練習をしないと」と進化を求めた。

 2日(日本時間3日)からは、正二塁手スクタロと正三塁手サンドバルが、WBC出場のために一時チームを離れる。レギュラーの居ぬ間にアピールできるか。「やることはいっぱいある」と田中。開幕メジャーへの挑戦は本格化していく。

 ▽田中の日本ハム時代の守備位置別成績 通算1079試合に出場し、二塁は957試合、三塁は21試合、遊撃は40試合、左翼は7試合で守った。遊撃は1軍で初出場した00年から守っているが、06年に1試合守ったのを最後に、6年間プレー経験なし。遊撃では通算6失策で、守備率は.908だった。

続きを表示

2013年3月3日のニュース