陽兄弟で台湾1勝!岱鋼WBC開幕打&兄・耀勲1回2K

[ 2013年3月3日 06:00 ]

<台湾・オーストラリア>地元でオーストラリアを破り手を振って応える陽岱鋼(右から2人目)

WBC1次ラウンドB組 台湾4―1オーストラリア

(3月2日 台湾)
 陽ブラザーズで快勝発進!第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が2日開幕。台湾・台中で行われた1次ラウンドB組の開幕戦では、台湾がオーストラリアを4―1で下した。「1番・右翼」で出場した日本ハムの陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)外野手(26)は、初回に初球を左前打。今大会の初安打をマークし、先制のホームを踏んだ。兄のソフトバンク・陽耀勲(ヤン・ヤオシュン)投手(30)も救援で1回2奪三振の力投。悲願の2次ラウンド進出へ、最高のスタートを切った。

 狙っていた。陽岱鋼は、世界の舞台での初球を待っていた。初回、シュート気味に食い込んでくる内角直球を、思い切り振り抜く。強烈なライナーが左前へ。第3回WBCの記念すべき大会初安打。次打者が初球に決めた犠打で二塁に進み、3番・彭政閔(ポン・ジェンミン)が2球目を打った右前打でホームを踏んだ。わずか4球で先制。台湾に勢いを呼び込んだのは、日本ハムでも活躍する1番打者だった。

 「チームに貢献することだけを考えていた」

 誇りある代表のユニホーム。陽岱鋼にも人一倍のこだわりがある。06年に地元・台湾で開催されたインターコンチネンタル杯以来、7年ぶりの代表選出。当時は遊撃を守っていたが、まだ19歳と年齢的にも、そしてプレーぶりでも若さを露呈し「本当に大型ショートなのか!」とスタンドから心ないヤジを浴びた。それが今でも忘れられない。「7年前とは違った姿を見せたい。成長した姿をね」。現在は日本球界を代表する、身体能力抜群の外野手。オフはWBCに備えて禁酒も敢行し、徹底した筋力トレで体重を84キロから87キロへと増やした。「力が付いたな、と思う」。再び地元で開催されたWBCで、力強い光を放った。

 兄の陽耀勲も負けてはいない。7回に2番手としてマウンドへ。1死から3番・ヒューズを138キロのフォークで空振り三振に仕留めた。続くウェルチに右翼への一発を浴びたが、最後はヒューバーを空振り三振だ。オフには来季のメジャー挑戦を求めて、宮崎での春季キャンプを「ボイコット」。今季終了後に自由契約にすることを条件付きで容認した球団の提案に、ようやく2月2日夜に合意するなど物議を醸した。それでもやはり、威力ある直球は魅力十分。「腕を思い切り振ることだけを考えていた」。この日もストレートで強気に押しまくった。

 韓国、オランダと強豪国がひしめく「死のグループ」。それでも陽ブラザーズは、そして台湾代表は前しか向いていない。2次ラウンドで侍ジャパンの強敵となりそうだ。

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2013年3月3日のニュース