藤浪 T―岡田3球三振斬り 要所でビシッ「狙いにいった」

[ 2013年3月3日 06:00 ]

<神・オ>2回1死二塁、原拓(左)の打球に飛びつく藤浪

練習試合 阪神1―1オリックス

(3月2日 安芸)
 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が2日、オリックスとの練習試合で対外試合デビューを果たした。10年パ・リーグ・本塁打王のT-岡田外野手(25)を3球三振に打ち取るなど、2回を1安打2奪三振無失点の好投。甲子園春夏連覇の黄金ルーキーが開幕ローテーション入りへ、順調なスタートを切った。

 見せ場はいきなりやってきた。初回、先頭・坂口に不運な二塁内野安打を許し、続く安達には直球の制球が定まらずストレートの四球。対外試合デビューで、無死一、二塁のピンチを招いた。打席に迎えたのは、主砲T―岡田。ここで藤浪のスイッチが入った。

 カットボールとフォークで空振りを奪い、2球で追い込む。捕手・藤井のサインは内角へのカットボール。「三振を狙いに来いという解釈をして狙いにいった」。狙い通り133キロカットボールで空振り三振を奪った。

 「できれば三振を狙いたい場面だったので三振を取れて良かった。緊張はなかった。平常心で上がれたと思います」

 並の高卒新人なら震え上がる状況。しかし、何度も大舞台を経験している18歳は腕をしっかりと振り、内角にきっちり投げ込んだ。和田監督も「左打者にあれだけ突っ込んでいける。実戦向きだね」とうなった。

 この後、坂口の三盗失敗で2死とすると、4番・竹原のライナーをグラブではじき冷静に処理。2回は先頭打者に四球を与えたが、宮崎をカットボールで空振り三振に仕留めるなど2回1安打無失点。直球の最速は145キロを計測した。

 一挙手一投足に注目が注がれる中、自分を見失うことはなかった。キャンプ中、食事会場で隣のテーブルに座っていた一回り以上年齢が上の先輩選手と野球談議に花を咲かせたことがあった。それを見た球団関係者は「1年目であれだけ年上の先輩と話し込む選手は見たことがない」と驚いた。野球への真摯(しんし)な姿勢。プロで生き抜く18歳の覚悟だった。

 2四球を出した制球、クイックには課題を残したが、それ以上に潜在能力の高さを証明した30球。「決まった球はそう簡単には打たれないかなと。まだまだ甘く入ったら打たれるのでこれからしっかり磨いていきたい」。試合後「70点」と自己採点した藤浪に、和田監督は「レベル高いな。上出来、上出来」とうなずいた。安芸で第一歩を踏み出した背番号19がエースへの道を歩み始めた。

 ▼阪神・藤井(藤浪とバッテリーを組み)ええもん持ってるな。一番良いのは真っすぐ。あんなに腕を振れるのが素晴らしい。球速はまだ出そうですね。今持っている力出せば(ローテーションでも)十分やってくれる。

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2013年3月3日のニュース