仕事人・井端 山本監督が「絶対に28人に入れる」と決意したワケ

[ 2013年3月3日 07:02 ]

<ブラジル・日本>8回1死二塁、井端が同点の右前適時打を放つ

WBC1次ラウンドA組 日本5―3ブラジル

(3月2日 ヤフオクドーム)
 起死回生の同点打を放ったのは、井端(中日)。 コツコツと、生真面目に。そんな井端だからこそ、世界の舞台で輝くことができた。

 昨年11月16、17日のキューバ戦。山本監督は当初、ベテランとあって井端を代表に招集するつもりはなかった。しかし本人は1週間みっちりと練習し、きっちりと戦える状態を整えてやってきた。その姿勢こそが侍戦士には必要。指揮官はその時点で「彼を絶対に28人に入れる」と決意したという。

 仕事人。代打の極意は、中日の先輩でもある立浪打撃コーチに学んだ。「あまり早くから(気持ちが)試合に入ると疲れてしまう。5回ぐらいまでゆっくり観戦して、うまい具合に気持ちが高ぶった」。打席に向かう際には、代表候補から漏れた浅尾、山井、大島の中日3選手の顔が脳裏に浮かんだ。「3人の分も頑張らなければ」。全ての思いを打球に乗せた。

 「(山本監督は)この歳で代表に選んでくれた。少しは貢献できたかな?」。井端は照れたように言った後、表情を引き締めた。「最初が肝心。うまく乗り切らないと、ズルズルといってしまう」。山本監督に「本当に大したヤツだ」と称えられたベテランが、列島に興奮の夜を運んできた。

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2013年3月3日のニュース