阿部 決死の代打V打!苦しみ抜いた8回に侍開幕逆転勝ち

[ 2013年3月3日 06:00 ]

<ブラジル・日本>8回1死満塁、二ゴロで勝ち越し点を叩き出す阿部

WBC1次ラウンドA組 日本5―3ブラジル

(3月2日 ヤフオクドーム)
 第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が2日に開幕し、1次ラウンドA組の侍ジャパンはブラジルと対戦。大苦戦を強いられたが、同点の8回1死満塁から右膝痛で先発を外れていた主将の阿部慎之助捕手(33=巨人)が代打で痛烈な二ゴロを放って勝ち越し。大会3連覇に向け、終盤に底力を発揮して薄氷の勝利を手にした。侍ジャパンは3日に中国と対戦する。

 満を持して、切り札の登場だった。8回にようやく同点に追い付き、なお1死満塁。「代打・阿部」のコール。観衆のボルテージが最高潮に達する。その初球、外角へのシンカーを力強く叩く。痛烈なライナーが横っ跳びした二塁手のグラブをはじいた。

 「自分の不注意でこういう出場の形になって、申し訳なかった。みんながつないでくれて、最高の場面で監督が使ってくれて…」

 格下のブラジルに終盤までリードを許すまさかの展開。ブラジルのバッテリーは序盤からどんどん内角を突いてきた。想定内ではあった。2月26日のオリックスとの強化試合で「8対2で外」だった配球が、同28日のソフトバンク戦では「8対2で内」に変わっていたからだ。

 本来なら内角を狙うべき。だが、7四死球に象徴されたように、きちんとストライクゾーンにくる確率が低く、時に外角への逆球となる。内角を過剰に意識すれば打撃を崩すことから、ベンチから内角狙いの指示は出なかった。

 右膝痛で初戦はベンチスタートとなった主将だが、その様子をつぶさに観察。同時にベンチ裏では素振りを繰り返していた。そして出番。山本監督から言葉はなく、ぐっとにらみを利かせた目で代打を告げられた。「前打者が四球の後でストライクが欲しいところ。振れるところはいくつもりだった」。外角球も十分に予測していたことで快打が生まれた。

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2013年3月3日のニュース