菅野打ち込んだ成果出た!東海大が快勝発進

[ 2012年6月15日 06:00 ]

<東日本国際大・東海大>試合後、横井監督(左)と話す東海大・菅野

全日本大学野球選手権第3日 東海大4-1東日本国際大

(東京D)
 「菅野効果」で8強入りだ。東海大は初戦の2回戦で東日本国際大と対戦。今秋ドラフト候補の伏見寅威(とらい)捕手、坂口真規内野手(ともに4年)が、ともに1安打を放つなど10安打4得点で快勝した。巨人入りを熱望して浪人中の最速157キロ右腕・菅野智之投手(22)を練習台に打ち込んだ成果を見せつけ、11年ぶり4度目の優勝へ好スタートを切った。
【試合結果】

 東海大打線は偉大な先輩右腕の剛球を打ち込んできた。その自信が鋭いスイングに表れる。10安打の猛攻で4得点。プロ注目の4番・坂口は胸を張り、こう振り返った。

 「正直、大学生には菅野さん以上の投手はいない。試合前の紅白戦で菅野さんから2点取って、勢いづきました」。2回に小笠原が先制ソロ。同点の4回には坂口が中越え二塁打で出塁して勝ち越しのホームを踏むと、7回には坂口と並ぶプロ注目の3番・伏見が左前適時打で試合を決めた。

 浪人中の菅野は後輩相手にフリーやシート打撃で投げてきた。さらにプロ入り後のローテーション入りを見据え、週1度のペースで紅白戦に登板。最速157キロの剛腕は現在でも最速152キロを計測するが、10日の紅白戦では7回で8安打を浴びせて2点を奪った。1安打した伏見は「一球一球のレベルがかなり高いのでスピードボールにも変化球にも対応できるようになった。真剣勝負をしてくれて凄くありがたい」と効果を口にする。

 スーツ姿でスタンドから観戦した菅野は「簡単に空振りや凡打しないし、投げてて嫌だなと思う打線になりつつある」と目を細めた。投手目線で野手陣に助言するなど、裏方に回っても不動のエースだった昨年と変わらず存在感は絶大だった。

 菅野を擁した10年の選手権は、決勝で東洋大に敗れて準優勝に終わった。坂口は「1番になりたい」と優勝宣言。今年は菅野のような絶対的エースが不在なだけに、11年ぶりの優勝へ打ちまくる。菅野を超えることが最大の恩返しである。

 【菅野の経過】昨秋ドラフトで巨人、日本ハムから1位指名。日本ハムが交渉権を獲得し、巨人入りを熱望した菅野は入団を拒否。現在は就職が決まらない学生のための制度を使い、東海大に籍を残す。今年4月には巨人・原沢敦球団代表兼GMが「1位の評価は1人しかいない」と今秋ドラフトの1位指名を表明。5月にはDeNAの高田繁GMが菅野獲り参戦示唆。阪神なども1位指名リストに名前を残している。

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2012年6月15日のニュース