平井以来球団史上6人目 塚原10代でプロ初勝利

[ 2012年6月15日 06:00 ]

<オ・De>プロ初勝利の塚原はウイニングボールを手に笑顔

交流戦 オリックス5-4DeNA

(6月14日 京セラD)
 本拠地・京セラドームでのお立ち台。オリックスの塚原は顔を紅潮させ、試合を振り返った。「本当にドキドキでした。喉がカラカラだった」。2年目、19歳11カ月でのプロ初勝利。10代での勝利はドラフト制以降では94年の平井(現中日)以来、球団史上6人目の快挙だ。喉が渇くのも当然だった。

 しかし、マウンドの姿は頼もしかった。今季2度目の先発で5回1/3を2失点。左太腿裏肉離れで戦列を離れた木佐貫の代役を見事に務めた。直球の最速は146キロ。1メートル84の長身で角度があり、落差のある130キロ台のフォークが効果的に決まった。「一人一人、気持ちを込めて投げました」とチームの連敗を3で止め、達成感に浸った。

 今季1軍デビューし、救援からチャンスをつかんだ。5月20日ヤクルト戦(神宮)では1点を勝ち越した5回から2番手で登板し、1回1/3を無失点。初白星のチャンスもあったが、公式記録員の判断で勝利投手は平野になった。「あの内容で勝利投手になっても喜べない」。そう振り返った一方で「ヒーローインタビューで何を話すか考えていました」と高卒2年目らしからぬ強心臓ぶりも発揮。同い年の巨人・宮国について「ピッチャーで同い年には負けられない」と負けん気の強さものぞかせる。

 岡田監督は「6回を乗り切ったら本当の1勝」と手厳しい。それも期待の裏返し。塚原は大事そうにポケットにしまったウイニングボールを「父の日も近いので」と父・昌之さん(44)に贈るつもりだ。最下位に沈むオリックスに孝行息子が現れた。

 ◆塚原 頌平(つかはら・しょうへい)1992年(平4)7月8日生まれ、茨城県出身の19歳。つくば秀英では2年夏からエースで4番。3年夏の茨城県大会は初戦で土浦日大に敗退。10年ドラフト4位でオリックス入り。2年目の今季は主に中継ぎで登板。1メートル84、80キロ。右投げ左打ち。

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2012年6月15日のニュース