黒田、日米通算150勝!「ここまで勝てるとは…」

[ 2012年6月15日 06:00 ]

<ブレーブス・ヤンキース>日米通算150勝目を挙げた黒田

インターリーグ ヤンキース3-2ブレーブス

(6月13日 アトランタ)
 ヤンキースの黒田博樹投手(37)が13日(日本時間14日)、ブレーブス戦に先発。6回を2失点に抑え、今季6勝目を挙げた。広島で103勝、メジャーで47勝を積み上げ、日米通算150勝を達成。日米で勝利を挙げた日本投手では野茂英雄(201勝)石井一久(178勝)松坂大輔(157勝)に次ぐ4人目の快挙となった。

 その瞬間、大きく吠えた。6回2死一塁。黒田の110球目、95マイル(約153キロ)のシンカーでプラードを空振り三振に仕留めた。豪雨に加え、稲妻が光り雷鳴とどろく悪環境で今季最多の8奪三振で6回を2失点と踏ん張った。

 「マウンドで(雷が)落ちて死んだら諦めがつくでしょう」。冗談めかした右腕だが、09年8月15日ダイヤモンドバックス戦での頭部への打球直撃は、少し当たりどころがずれていれば命に関わる重傷だった。その後遺症で今でも首痛に時折、悩まされるが、07年に元南海の父・一博さんを亡くした黒田は「(父に)もうちょっとやれ、と言われたのかな」と言う。今月2日は元陸上選手で黒田を厳しく育てた母・靖子さんの命日。8日のメッツ戦では左脚に打球が直撃。骨折していてもおかしくはなかったが、打撲で済んだことで、天国の両親に守られていることをあらためて痛感した。

 前回のアクシデントにも志願して予定通り中4日で臨んだが、腫れと痛みは残っており前日まで超音波やアイシングなどで必死の治療。ローテーションを守り通すことが自分の役目。それを果たすことで、初めてチーム内の信頼を得られると広島時代から考えてきた。

 メジャー1年目から、登板3日前に必ず行う36球のブルペン投球。背番号18を2倍にした験担ぎだけではない。「先発はトータルだと思う。もちろん1点も取られないのが一番だけど、何試合も投げてそれは不可能」。本来ならもっと投げて修正したい時でも我慢し、疲労を残さないために36球でとどめる。その積み重ねでメジャーで生き抜いてきた。

 「プロに入ったときはここまで勝てるとは思っていなかった」。日米通算150勝の喜びに浸りながらも、視線はもう次戦に向けられていた。

 ≪現役150勝以上は5人≫150勝以上を挙げた現役の日本投手は中日・山本昌の212勝を筆頭に5人。日本とメジャーで白星を挙げ、150勝を挙げたのは過去に201勝の野茂(日本78、米国123)、石井(日139、米39)、松坂(日108、米49)の3人。メジャーでは白星を挙げていないが、日米で登板した投手では173勝の桑田真澄がいる。NPBでの150勝投手は46人、MLBでは247人。

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2012年6月15日のニュース