成瀬Gキラーだ4連勝 リーグ単独トップ7勝目マーク

[ 2012年6月11日 06:00 ]

<巨・ロ>1点差に迫られなおも2死二塁のピンチで村田を投手ゴロに打ち取り笑いが止まらない成瀬(左)と里崎

交流戦 ロッテ2-1巨人

(6月10日 東京D)
 またしても巨人キラーぶりを発揮した。ロッテの成瀬善久投手(26)が10日の巨人戦でリーグトップの7勝目を挙げるとともに、巨人戦4連勝を飾った。9回に1点を許し、完封こそ逃したがエースにふさわしい快投だった。これでチームの貯金は今季最多タイの15。11日も巨人に勝てば交流戦の首位に浮上する。また勝つか、引き分けで優勝マジックも点灯。06年以来、3度目の優勝も見えてきた。

 巨人キラーの貫禄が漂っていた。2―1の9回2死二塁で打席には4番・村田。一打同点のピンチにもマウンドの成瀬は落ち着いていた。4球目のチェンジアップで投ゴロに仕留め無四球完投勝利。巨人戦4連勝を飾ったが、直前の坂本に適時二塁打を浴びて完封を逃したことを悔しがった。

 「無四球で完投できたのは満足しているが、欲を言えば完封したかった。もったいなかった」。求める次元の高さが凄みを物語っていた。

 東京ドームでは10年5月15日の巨人戦で3本塁打を浴びるなど、過去3試合で6被弾。球速がない分、制球が甘くなれば簡単にスタンドへ運ばれた。恐怖心があるからこそ大胆かつ繊細に。スピンの利いた130キロ台前半の直球にスライダー、チェンジアップを低めに集めた。4回に坂本、7回に谷に大飛球を打たれたがオーバーフェンスは許さない。いずれも膝より低いボール球。5月26日の対戦で巨人の10連勝を止めたのに続く白星で、右打者8人を並べた相手を返り討ちにした。「東京ドームは良いイメージがなかったので自信になる」と声を弾ませた。

 同じ左腕の巨人・杉内が5月30日の楽天戦(東京ドーム)でノーヒットノーランを達成。球の切れで勝負する同タイプに刺激は受けたが、スタイルは異なると強調する。「杉内さんはストライクゾーンを振らせる技術がある。僕はコースを狙って投げていくタイプ」。ノーヒットノーランに関しても「無理だと思っている。初回に走者を出して抑えた方がリズムに乗れることが多い」。この日は初回に谷に内野安打を許したが、2回から6回まで5イニング連続3者凡退。自身も自覚する立ち上がりさえ除けば、抜群の安定感は杉内にも見劣りしなかった。

 帽子のつばに「信念」と書き込み試合に臨んだ成瀬は「きょうは中継ぎを休ませるために、絶対最後まで投げようと思っていた」と話した。西村監督は「成瀬しかいなかった。最後に1点取られたけど完璧だった。さすがエース」と絶賛した。11日も勝てば、巨人と入れ替わり交流戦の首位に立つ。成瀬はナインの思いを代弁した。「チャンスはある。リーグ優勝の意識の方が強いけど(交流戦も)てっぺんを獲りたい」とソフトバンクに並ぶ史上最多タイとなる3度目の優勝に意欲的だった。

 ▼ロッテ・西本投手コーチ 成瀬は球速が速いわけでも、変化球が多いわけでもない。でもボール球の使い方がうまい。球に切れもある。

 ▼ロッテ・里崎(成瀬について)直球に力があったし制球もいい。(スライダー、チェンジアップと)3つ全部決め球に使えるから、相手も絞りづらいと思う。

 ≪交流戦で巨人戦4連勝は4人目≫成瀬が4安打完投でハーラー単独トップの7勝目。5月4日西武戦からは6連勝となった。また巨人戦は10年6月2日から4連勝。交流戦で巨人に4連勝以上は小林宏(ロ=現神)5連勝、杉内、ホールトン(ともにソ=現巨)4連勝に次いで4人目だ。

 この日は1回から9回までイニングの先頭打者をアウトに。前回巨人と対戦した5月26日も9イニングのうち出塁を許したのは1度だけ。先頭打者を確実に打ち取り巨人戦連勝につなげた。なおロッテにきょうにも交流戦優勝のマジックナンバーが点灯する。ロッテが巨人に勝つと、日本ハムの結果によりM4か5、引き分けでも2位ながらM5が出る。

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2012年6月11日のニュース