おかわり弾で最下位脱出!「牧田援護できて良かった」

[ 2012年6月11日 06:00 ]

<ヤ・西>12号2ランを放った中村(右)らナインを迎える渡辺監督(左)、牧田

交流戦 西武4-2ヤクルト

(6月10日 神宮)
 小雨が降りしきる中、西武ファンの興奮は冷めやらなかった。「中村~!ありがとう!」。延長10回にもつれ込む接戦にケリをつけたのは、やはり主砲・中村の一振りだった。2戦連発となる決勝の左中間への12号2ランでチームを最下位脱出に導いた。

 「シチュエーションとしては今季最高の1本だった。牧田の時は援護できてなかったので、勝ちをつけることができて良かった」

 4番の仕事を完璧に果たした。1点を追う8回に同点の左翼線適時二塁打。そして2―2の延長10回無死一塁だ。カウント2ボールからバーネットが投じた真ん中低めのカットボールをバットの先で拾い、左中間席に放り込んだ。「カットボールがいいのは知ってた。空振りでもファウルでもいいと楽な気持ちで振った」。決勝弾後の10回裏途中には雨でまさかの中断。この時点で試合終了なら記録上、幻の一発となる。「俺のホームランがなしになっちゃう」と再開を祈るような気持ちで待った。14分間の中断後、無事に試合は再開してゲームセット。「本当に雨がやんでくれて良かった」と安どした。

 交流戦前までは、わずか1本塁打。ところが交流戦後は19試合で11本塁打、30打点と絶好調。この日の一打で交流戦通算本塁打も50本一番乗りを果たしたが「交流戦が始まって8年くらいで50本って、そんなんでもないでしょ」と気にするそぶりもなかった。

 豪快な打撃スタイルとは裏腹に、根は繊細。土井ヘッドコーチが「今と過去の打撃フォームを比較した映像をよく見ている」と証言するように、自身の打撃フォームの検証を地道に続けている。より良いスイングを求める日々。時に考えすぎることもあった。だが、この日のバーネットが初対戦だったように、普段対戦しない投手と対峙(たいじ)するのが交流戦。「いろいろ考えなくて済む」と自分のスイングに集中できていることが交流戦に強い理由だ。

 「残り試合全部勝つ。勝利に貢献できるホームランを打つ」。上位浮上へ、その目に確かな自信がみなぎってきた。

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2012年6月11日のニュース