兵庫・岩谷3安打3打点!史上初サイクル惜しかった

[ 2012年6月11日 10:30 ]

サイクル安打は逃したが3安打の活躍を見せた兵庫・岩谷

日本女子プロ野球 兵庫7―0大阪

(6月10日 明石トーカロ)
 日本女子プロ野球リーグは9日、明石トーカロ球場で前期の1試合を行い、兵庫スイングスマイリーズが7-0で大阪ブレイビーハニーズを下した。

 サイクル安打まであと一歩だった。最終打席で本塁打が出れば達成という打席で、兵庫の岩谷はサク越えを狙っていった。「サイクルが掛かっているのは知っていた。初球は狙ったんですけど、変化球でヤマが外れて中途半端なファウルに。その後は冷静になろうと必死だった」。最後はフルカウントから甘い内角直球を叩いたが、高々と舞い上がる左飛に終わり、球場からは大きなため息がもれた。

 初回は2死二、三塁から先制打となる左中間2点三塁打。3回にも走者を3塁に置いて右翼線適時二塁打を放つと、5回の左前打でリーグ史上初のサイクル安打へ王手をかけていた。「最後は欲を抑えてしまいましたかね」と4打席目で凡打に終わると、偉業に挑戦したすがすがしさで冗談交じりに話した。

 現在の打率は.353と3年目で最も好調なシーズンを送っている。今季は投手の出番を控え、クリーンアップとして打者に専念。小西美加(大阪)など、チームから主力が抜けた穴を埋めている。「調子の良い秘訣は、今季からバスターで打つようになったこと。軸もぶれず、ポイントも前で球を捕らえられています」。

 身長は170センチと上背はあるが、振り出したバットの芯を外してしまうのがネックだった。バスターを自主的に取り入れたことで、トップからの最短距離スイングが安定。無駄な動きがなくなり、球を捕らえる確率が格段に増した。

 3打点した岩谷の活躍でチームも連勝。前期シーズンの2位を確定し、後期でのチャンピオンフラッグ奪還に意気込む。「後期で優勝出来るチームにするため、残り4試合は全勝する」と京都へのリベンジに燃えたぎっていた。

 <兵庫・植村 心身作り直し2度目完封>兵庫の先発左腕植村は8安打されたが、要所を締める完ぺきな投球で今季2度目の完封勝利。序盤は直球主体の投球で大阪打線を押しに押しまくった。中盤からは得意の大きなカーブと高速スライダーを織り交ぜながら、相手打者の裏をかいた。「やっぱり周りからエースと呼ばれるからには、その名に負けないよういい投球をしていきたい」。登板は2週間ぶりだった。精神面と技術面でのバランスを崩し、腕が振れない状態に陥ってしまった。まずは投球動作中のグローブの使い方を横振りから縦振りにし、強く体に引き寄せるようにした。不思議と左肘の位置も高くなり、しっかりと投げ下ろせるようになった。「走り込みも人の倍しました。みんなが休憩している時も、ノルマが終わってからも走り続けました」と心身ともに新しく作りなおした。一時は重圧からエースと呼ばれることに対し、抵抗を感じていた。だが、一つの壁を乗り越えた今、「私がチームを引っ張っていく」とその言葉には自信が満ちていた。

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2012年6月11日のニュース