イチロー“本物”の存在感 3方向に華麗に3安打

[ 2011年8月5日 06:00 ]

<マリナーズ・アスレチックス>5回、カープの三塁ゴロで生還、ベンチでナインとハイタッチするイチロー

ア・リーグ マリナーズ7―4アスレチックス

(8月3日 シアトル)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が3日(日本時間4日)、アスレチックス戦で、3安打2得点。今季6度目の1試合3安打以上で、チームの快勝に貢献した。前日は観客席から身を乗り出してインプレーの球を拾い上げた「偽イチロー」に主役を奪われた形の「本物」が本来の存在感を示した。

 これが、正真正銘のイチローだ。1点差に詰め寄られた5回無死。ア軍左腕ゴンザレスの内角カーブに右肩を開かず、遊撃手の頭上をライナーで越す左安打。3回には右前打、8回には遊撃内野安打。3方向に華麗に打ち分けた。

 ただ、試合後に笑顔は見られない。今季繰り返される言葉が「自分のことで必死」。前日にアスレチックス・松井に抜かれた打率は1日で抜き返したが、チームが110試合を消化した時点で打率・268。「こんな時に(チーム)全体見られないでしょ。今までそう思ってきたけど、やっぱりそうだなって思う。今年こういう状況であらためてそう思ってる」と話した。

 前日はイチローのそっくりさんで自称「ニッチロー」こと、ストリートパフォーマーの今村健太(32)がインプレーの打球を拾い上げ、観客席から警備員に連行された。この日も「ニッチロー」は球場を訪れ、スタンドでイチローの打撃フォームのものまねを披露し、ファンと記念撮影。ただ試合は前日の一塁側最前列ではなく10列ほど後方で観戦し、本物のイチローの活躍を控えめに見届けた。

 11年連続200安打へ残り52試合で78本と、2試合で3本ペースが必要。唯一無二の51番が「必死」に挑む。

 ≪自己最低ペース≫イチローのチーム110試合消化時点での122安打は、05、08年の139安打を下回ってメジャー自己最低となった。残り52試合で78安打が必要となるが、過去10年で「52試合78安打以上」を記録したのは3度(01、04、07年)しかない。いずれも打率・350を超える猛打だったが、今年はどうか。

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2011年8月5日のニュース