8月反攻だ!東京D今季初ガッツ弾で巨人連勝

[ 2011年8月5日 06:00 ]

<巨・神>7回1死、2号ソロを放った小笠原

セ・リーグ 巨人2-0阪神

(8月4日 東京D)
 巨人の小笠原道大内野手(37)が、阪神戦の7回に今季2号ソロを放った。140打席ぶりに出た2発目で、勝負を決定づけた。経験したことのない極度の不振に苦しみ、先発落ち、8番降格も味わった男が、そのバットで意地を見せ、ようやく本拠に快音を響かせた。心強い援護を受けた先発の内海哲也投手(29)は、8回4安打無失点で、リーグ単独トップの11勝目。防御率と合わせ、投手2冠を維持した。

 確かな感触があっても、小笠原は全力疾走した。1―0の7回1死。先発・岩田の132キロカットボールを代名詞のフルスイングだ。打球は右中間席へ。二塁ベース手前まで到達していたガッツはようやく歩を緩めた。

 「今年は1本しか打ってないから入るか分からないので、一生懸命走りました」。6月8日のソフトバンク戦(ヤフードーム)以来、実に出場39試合、140打席ぶりの2号ソロを振り返った。

 経験したことのない不振との戦い。7月31日のヤクルト戦(神宮)では97年以来、14年ぶりの8番降格。スタメン落ちも経験した。「我慢強く使ってもらっている監督の期待に応えたい。その一心でバットを振ってきた」。プライドもかなぐり捨て、自分と向き合っている。

 頑張り続ける理由があった。6月28、29日に福島県郡山市で行われたヤクルト戦。球場を訪れる予定だった一人の野球少年が、震災や原発などによる心身の疲労などで体調を崩し、会津若松市内の病院に入院した。その少年が自分のファンと聞かされると、色紙にサインし「元気になってください」とメッセージも添えて関係者に渡した。本当は快音を届けたかった。待たせすぎたが、この日の一発でその思いがようやく実現した。

 「いい形で本来のものを取り戻してもらいたいと思います」と原監督。前日はなでしこジャパンのFW丸山桂里奈(28=千葉)の激励を受け、この日はアントニオ猪木氏(68)をグラウンドに迎え連勝。まだ借金5だが、お立ち台のヒーローは「(完全復活は)まだ、はっきり分からないですが、少し期待していてください」と球場を沸かせた。やはり巨人には華やかさが似合う。背番号2の復調が進めば、チームに力強い追い風が吹く。

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2011年8月5日のニュース