日本文理 日大三・吉永撃ちへ高速マシンで対策

[ 2011年8月5日 10:43 ]

打撃練習する日本文理・早津

 第93回全国高校野球選手権大会(6日から甲子園)に出場する日本文理が日大三(西東京)のエース吉永健太朗(3年)対策に乗り出した。5日目第1試合の初戦へ向け、4日は兵庫・西宮市内で打撃中心の練習。中央に据えたマシンで140キロ台後半の速球に目を慣らし、左右両サイドの打撃投手は変化球を多く投じた。中でも、この日18歳の誕生日を迎えた吉田由宇(3年)が低いライナー性の当たりを連発するなど好調をアピールした。

 指揮官が早速動いた。日大三との対戦が決まった直後から「打ち勝つしかないだろ」とコメントした大井道夫監督がこの日命じたのは、最速148キロの直球とカーブ、スライダー、チェンジアップなどの変化球を駆使する相手右腕・吉永討ちの作戦だった。

 マウンドより前方に設置したマシンからは「手を出すな。目を慣らすだけでいい」と真っすぐのみ。ケージ後方で見つめた指揮官は「もっと速くならないか」とスピードをMAXまで上げさせ、体感速度は140キロ台後半に達した。マシンの左右から投げる打撃投手には3球に2球の割合で変化球を指示。どの球を打つかは個々に任せられ、速球と変化球の組み合わせに惑わされずにボールを捉える狙いだった。

 主力打者で強烈なアピールをしたのが、一塁手のポジションを2年生の早津勇人と争う吉田だった。県大会では左打ちの早津にスタメンを譲るケースが多かったが、「(県大会から)調子は悪くないです。気持ちよく打てた」と手応えを口にする。長打力を秘めながらも「長打を狙ってもフライになっては駄目。大味じゃなくて、逆方向を意識して低い打球、強いゴロを」と意図を理解し、徹底させた姿に大井監督も「吉田は悪くないね」と熱視線を送った。

 4日が18歳の誕生日。「8月生まれなので自然とそうなるんですが、中学時代(新潟シニア)も全国大会に出た神宮(球場)だった。2年前(09年)も甲子園だったし。でも、こっちで迎えるのはうれしいものです」。自然と笑みがこぼれた。

 チームスローガンの一つ「フォア・ザ・チーム」に徹する。「早津が出て勝てればいいんです。ベンチから声を出したい」と言うが、先輩としての意地もある。「たぶん代打だと思うが、準備はしておきたい。役割だけはしっかりと。最後の夏ですから」。右のスラッガーは、万全の状態でスタンバイしている。

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2011年8月5日のニュース