稼頭央5打点!楽天、今季84試合目で初の2桁得点

[ 2011年8月5日 06:00 ]

<楽・西>4回無死一塁、右越え2ランを放つ松井稼

パ・リーグ 楽天12-6西武

(8月4日 Kスタ宮城)
 一番のヒーローはお立ち台を2人の後輩に譲った。楽天・松井稼は牧田と中島を引っ張ってお立ち台に乗せると、自らは笑顔でベンチ裏に引っ込んだ。ベテランの余裕だ。

 「3人でヒーローインタビューと言われたんだけどね。2人でどんなトークができるか行ってこい!と送り出したよ」

 今季初の2桁得点を生んだのは、松井稼のバットだった。初回に先制適時打を放つと、1点を追う3回無死二、三塁では逆転の適時二塁打。打者10人で一挙5得点の火付け役となった。さらに、2点差に迫られた直後の4回。無死一塁から、チーム18試合ぶりとなる6号2ランを右翼スタンドに叩き込んだ。「1、2番でつくったチャンスを何とかものにしたかった」。お立ち台同様に後輩を立てたが、今季のチーム最多となる1イニング6得点を演出。今季自己最多となる1試合5打点の荒稼ぎだ。

 疲労がたまり、打撃の調子が上がらないことは自覚している。5月6日に・286だった打率は、試合前に・235まで落ちていた。それでも「状態は決して良くないが、試合に出たら関係ない」と体調や10月に36歳を迎える年齢を言い訳にしない。この日は、通常よりも1時間早く球場入りしてマッサージで体をほぐした。大のビール党でありながら、夏場でも「一杯飲んだら、その後は温かい飲み物にしている。体が冷えて、ケガや疲れにつながるからね」と自制する。

 決定打を欠く打線を嘆き続ける星野監督も、この日ばかりは賛辞を惜しまなかった。「2アウトからつないで、しつこさがちょこっと見えた。きょうはどん欲にいけた」。今季84試合目で初の2桁12得点。打線復調のきっかけとなれば、上位浮上も見えてくる。

 ≪5打点は自己最多タイ≫松井稼(楽)が古巣・西武からの初アーチを含む3安打、5打点の活躍。日本での1試合5打点は03年9月9日のロッテ戦(当時西武)以来、5度目となる自己最多タイ。メジャーでもメッツ時代の04年7月2日のヤンキース戦で記録した5打点が最多となっている。また、チームは12得点の猛攻。今季は前日まで、中日とともに2桁得点が1度もなかったが、初めて10点以上を奪った。なお、チーム84試合目で初の2桁得点は、09年の23試合目を大幅に上回る球団史上最も遅い記録になった。

 ▼楽天・小山(2番手で2回無失点と好投して今季4勝目)真っすぐが良くなってきた。どんどん勝っていきたいです。あと6勝、あと6勝。

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2011年8月5日のニュース