T―岡田、3戦目で今季1号も「喜べない」

[ 2011年4月15日 06:00 ]

<オ・ソ>8回2死一塁、T?岡田は中越えに今季1号となる2ランを放つ

パ・リーグ オリックス3-5ソフトバンク

(4月14日 京セラドーム)
 待ちに待った大飛球が京セラドームに打ち上がった。4点を追う8回2死一塁からの第4打席。オリックス・T―岡田が、それまで3安打に抑えていたソフトバンク先発・山田の速球を完ぺきにとらえた。バックスクリーンへ開幕3戦目、13打席目の今季1号が突き刺さった。

 「素直には喜べないです。チームが負けたんでね。(山田は)真っすぐあっての変化球。その真っすぐを叩けたことは良かったと思う」

 昨季のパ・リーグ本塁打王に飛び出した意地の一撃も、結果的には空砲に終わった。ただ、4番に座る若き大砲が持ち味のアーチで猛牛ファンに春の訪れを告げた。前日13日のソフトバンク戦では今季初安打こそ記録したが、3打数2三振。開幕からわずか2試合目ながら、重責に対する重圧を感じていた。

 「早く1本(本塁打)が欲しい。焦りというか、打ちたい気持ちが先に出ている」。焦る気持ちを抑え、孤独な打席に向かっていた。自らの力で不安をぬぐい去ったビッグアーチ。今季から導入された“飛ばない”とされる統一球の影響も感じさせない一撃で、健在ぶりを見せつけた。

 「1本でも多く(本塁打を)打ちたい。その気持ちは去年より強い」

 開幕前、東日本大震災の被災地へ本塁打1本につき5万円を義援金として届けることを決断。支援活動でもその第一歩を踏み出した。自らも16年前に大阪府吹田市の自宅で阪神・淡路大震災を経験した。当時は7歳ながら震災の残酷さと人の痛みを知った。だからこそ、持ち味であるアーチで一人でも多くの被災者を救おうと決意した。

 この夜、バットでチームを救うことはできなかった。勝利、そして被災者のために、キングは打って、打ちまくる。

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2011年4月15日のニュース