スピードスターコンビ全開!ロッテ今季初勝利

[ 2011年4月15日 06:00 ]

<ロ・楽>7回1死二、三塁から金泰均の中前打で生還した岡田(右)と荻野貴

パ・リーグ ロッテ5-2楽天

(4月14日 QVCマリン)
 負けっ放しではいられない。開幕連敗スタートとなったロッテは14日、楽天戦の同点で迎えた7回に岡田幸文外野手(26)、荻野貴司内野手(25)の1、2番が連続バント安打、さらに果敢な走塁で3点の勝ち越しを演出。西岡剛内野手(26)がツインズに移籍した今季に、1番を打つ岡田、2番で遊撃を守る荻野貴。50メートル5秒6の快足を誇る「M(マッハ)・O(岡田)・O(荻野貴)」がチームに今季初勝利をもたらした。
【試合結果】

 新生QVCマリンでの今季初勝利。ようやく地の利を生かした。小技に足を絡めたロッテらしい攻撃を仕掛けたのは、50メートル5秒6の快足を誇る岡田、荻野貴の1、2番コンビだった。

 「3月に入ってから、ずっと確認してきた。僕らにとって、打球が死ぬここの芝は最高です」

 そう話したのは育成ドラフト出身選手としてリーグ史上初の開幕スタメンを勝ち取った岡田。同点の7回だ。無死一塁から送りバント。打球は投手・片山と三塁・岩村との間へ転がり内野安打に。続く荻野貴も三塁線へ絶妙な送りバント。ライン上を転がった球はファウルゾーンへ切れず、2者連続のバント安打となった。

 決して偶然でも幸運でもない。緻密な計算があった。QVCマリンは昨オフに人工芝が張り替えられ、芝の長さは従来より2ミリ伸びて32ミリの「アストロステージMJ」が採用された。2ミリ伸びた分、芝は起きたままで、打球の勢いは殺され、特にライン上の打球はファウルゾーンからフェアゾーンに戻される特性が生まれた。荻野貴も「あのバントは去年だったらファウルになっていた。三塁手に捕らせればいい、と楽な気持ちでできる」と証言した。

 そして、次には自慢の足を披露した。無死満塁から井口が中堅に勝ち越し犠飛を打ち上げた。この飛球で一塁走者の荻野貴は「相手が余裕を持って投げたら、いこうと思った」と一瞬の隙を突いて二進。トリプルタッチアップを完成させた。1死二、三塁となり、併殺打の可能性がなくなったことで、楽天は前進守備を敷くしか選択肢がなくなった。これで4番・金泰均(キムテギュン)は「楽に打てた。ありがたい」と、ボールを強く叩きつける打撃を意識。ワンバウンドした打球が遊撃手の頭上を越える2点適時打となった。

 開幕3連敗を逃れ、昨季日本一チームとして一矢を報いた西村監督は「3つ続けて負けるわけにはいかなかった。あそこ(7回)は2人とも見事だった」と称えた。昨季「1番・遊撃」で全試合出場した西岡がツインズに移籍した中で、2人が競うように輝きを見せた。1番打者として岡田が「たとえ安打が出なくても、足を使った攻撃ができれば相手に重圧をかけられる」と言えば、遊撃にコンバートされた荻野貴は「守備では脱力。力んで構えては、1歩目が動かない」。胸を張る2人の横で、井口は「2人とも簡単にバント安打するし、負けていられない」と笑った。連続日本一へ向け、歩を止めていたロッテがようやく動き始めた。

 ▼楽天・岩村 相手のバントがパーフェクトだった。(荻野貴のバントは)三塁線が切れないのは練習で試して分かっていたから捕りにいった。

 ≪不名誉記録は免れた≫昨年日本一のロッテが今季初勝利。前年のシリーズ覇者が翌年開幕3連敗は57年西鉄4連敗、99年横浜6連敗とあるだけ。3チーム目の不名誉は免れた。この日は7回岡田、荻野貴が連続バント安打で逆転のお膳立て。昨年ロッテのバント安打3傑は(1)荻野貴6(2)岡田3(3)西岡、今江2。荻野貴は46試合、岡田は72試合の出場ながら俊足ぶりをアピールした。また盗塁も12日にそろってマーク。昨年荻野貴はチーム最多の25盗塁、岡田は15盗塁を決めている。同一チームの30盗塁コンビは昨年ソフトバンクの本多(59個)、川崎(30個)があるがロッテでは前身球団を含め皆無。2人にとって決して高いハードルではないだろう。

 ◆岡田 幸文(おかだ・よしふみ)1984年(昭59)7月6日、栃木県生まれの26歳。作新学院では甲子園出場なし。左肘故障で日大中退後、足利ガスの契約社員として働きながら全足利クラブで主将としてプレー。全足利クラブ引退後は足利ガスで正社員の予定も、08年育成ドラフト6位でロッテ入団。翌09年3月30日に支配下選手登録され、昨季1軍初出場。日本シリーズ第7戦で日本一を決める決勝三塁打を放った。家族は妻と2女。1メートル77、70キロ。左投げ左打ち。

 ◆荻野 貴司(おぎの・たかし)1985年(昭60)10月21日、奈良県生まれの25歳。奈良郡山から関学大に進み、関西学生野球リーグでベストナイン5度。4年春にリーグ新の17盗塁をマーク。トヨタ自動車では09年の都市対抗で準優勝、優秀選手にも選ばれた。同年ドラフト1位で入団。昨季は開幕から46試合で打率・326、25盗塁も右膝半月板損傷で離脱、手術を受けそのままシーズンを終えた。今季は外野手から遊撃にコンバート。1メートル72、75キロ。右投げ右打ち。

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